過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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684: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/14(土) 18:26:55.46 ID:I8BPs1sh0



マリベル「…………………。」



アニエス「…………………。」



少年が魔城の中を駆け抜けている頃、双胴船の船長室は重たい沈黙に包まれていた。

マリベル「あいつが ボルカノさんと マーレさんの 本当の息子じゃなかったなんて……。」

思えばおかしな点はいくつもあった。彼の腕に浮かび上がった謎のアザ。
それは不思議な渦を呼び起こし、いつの間にか水の精霊の紋章と同じ形に変わり、道標を作り出した。
そしてなにより彼が母親の体の中に6か月しかいなかったということ。

アニエス「…………………。」

マリベル「…どうして……。」
マリベル「どうして 黙ってたのよ ばかアルス……。」

自分の身体をぎゅっと抱きしめ、少女は今はここにいない少年に向かって吐き捨てる。

アニエス「あの子は… 悩んでいました。」
アニエス「あなたや 彼の育ての親が そのことを 知ってしまったら どう思うだろうかって……。」

マリベル「っ……。」

少女にもそれは容易に想像がついた。
自分の子だと思って大切に育ててきた息子が
本当は遠い過去から水の精霊によって運ばれてきた誰かの子だと知ったとしたら、あの二人はどう思うだろうか。

マリベル「でも どうして あたしにそれを……?」

少年の母親がどうしてそのことを自分だけに伝えたのか。

少女にはわからなかった。

アニエス「きっと あの子は あなたにだけは 伝えるつもりだったのでしょう。」
アニエス「さっき 二人きりの時に ……いつか 自分で伝えると 言ってました。でも……」
アニエス「今は何より あの子の孤独を わかってあげられる人が 傍にいて欲しいの。」
アニエス「あなたは きっと あの子の 大切な人なんでしょう?」

マリベル「あっ い いや そんな……。」

アニエス「っふふ。恥ずかしがらなくても いいんですよ。」
アニエス「あなたのことを 話している時の あの子の顔を見たら すぐにわかりました。」

マリベル「…………………。」

すっかり見通されてしまい少女は両手を握ってもじもじとさせる。

アニエス「だから あの子が いつか このことを打ち明けた時 あの子のことを 何も言わずに 受け入れてあげて欲しいんです。」

マリベル「…………………。」

少女は黙ったまま一回だけ頷く。



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