過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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709: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/14(土) 18:59:53.61 ID:I8BPs1sh0

しかし意外にも、否、最初から彼はわかっていたのかもしれないが、
男の口からこぼれた言葉は少年の予想を裏切るものだった。

アルス「えっ……?」

マリベル「っ……!?」

重い沈黙を破った予想外な感想に少年と少女は思わず言葉を失くす。

ボルカノ「うすうす 気づいてたさ。」
ボルカノ「お前が 母さんのお腹から6か月で 生まれてきた時も その腕にできた痣を見た時も おまえがいつの間にか 魔王を倒すほど 強くなったって 聞いた時も。」
ボルカノ「何より シャークアイさんと アニエスさんの顔を見た時によ ……わかっちまったんだ。お前が本当は この二人の子なんだってよ。」
ボルカノ「いったい どういういきさつで そうなったのかは わからねえけどな。」

アルス「父さん ぼくは……。」

ボルカノ「もう何も言うな。」
ボルカノ「たとえ お前とオレたち 血のつながりがなくてもよ… これまで 一緒に過ごしてきた時間は 本物だ。」
ボルカノ「だれが何と言おうと お前は オレと母さんの息子だ。……これまでも これからもな。」
ボルカノ「それにお前は オレの跡を継いで 漁師になることを 選んでくれたじゃねえか。」
ボルカノ「それが オレたち親子の 何よりの絆だ。そうだろう?」

アルス「…父さん……!」 

それ以上の言葉は出てこなかった。

少年は父親にしがみつくとそのまま静かに嗚咽を漏らす。

父親はそんな少年を力強く抱きしめる。

悩み傷ついた少年の心を包み込むように。

アルス「…………………。」

ボルカノ「…………………。」

シャーク「ボルカノどの……。」

アニエス「ボルカノさん……。」

ボルカノ「……なんでしょう。」

本当の両親に声をかけられ、父親は顔を上げる。

アニエス「確かに この子は 私たちの子です。」

シャーク「ですが この子は 立派に育ち こうしてわれわれの前に 姿を現してくれた。われわれが 望むものは もうありません。」
シャーク「どうか この子のことを よろしくお願いします。」

ボルカノ「……言われるまでもないことさ。」
ボルカノ「任してください。アルスは きっと 世界一の漁師に してみせます。」

深々と頭を下げる二人に父親は力強く応えてみせる。




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