過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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755: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/16(月) 19:55:06.41 ID:da5wJlLm0

それから時間は過ぎ、今は夜。

漁を終えた漁船アミット号はただひたすらに次の目的地を目指して航行を続けていた。

マリベル「…………………。」

そんな船の誰もいない調理場の一角で一人、少女は日課である自分の航海日誌を書きしたためていた。

マリベル「うーん……。」

今日一日あったことを自分の言葉で書き連ねていく。
ふと思い立って持ち込んだこの日誌にはこれまであった事柄が彼女の視点で事細かに記されており、
航海も二十五日を迎えた今日、残る頁も少なくなってきていた。

マリベル「周りからは しっかり 見られてたのね……。」

昼間少年の父親に言われたことを思いだす。

自分はなるべくそういったことを悟られまいとしてきたつもりだったが、
どうやら周りの目にはしっかり少年への好意だとか、仲の良さが見えていたらしい。
実際、自分は彼を好いていたし、仲が悪かったかと言われればそれは嘘であるとわかっていた。
そうでなければどんなことであれ話しかけたりしないし、ましてや一緒に行動するなど以ての外だ。

マリベル「あいつは どう思ってたのかしら。」

この航海が始まるまで少年はそういったことはほとんど口にしなかった。
周りがどう思ってるかだとか、自分に対してどんな感情を持っているのかとか。
今でこそ言葉なり体への接触なりでいろいろと示してくれているが、旅の途中、彼の真意を垣間見ることはほとんどなかった。

マリベル「ガマン…してたのかな……。」

ひょっとすると少年はもっとずっと早くからこうしていたかったのではないか。そんな考えが頭をよぎる。
自分がどこかで認めたくなかった感情を少年はさっさと認めていたのかもしれない。
そうだとすれば自分は随分彼にきつく当たってしまっていたのではないだろうか。

マリベル「はあ……。」

今さらになって自分の言動を少しだけ後悔する。
結果的に彼は自分のことを受け入れてくれたが、やはり心のどこかでは傷ついていたのではないか。
そんな不安が胸に重りを乗せたような気怠さを引き起こしていく、



マリベル「……ダメね。」



考えれば考える程鈍っていく思考を閉ざし、少女は鞄の中から一つのリンゴを取り出す。





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