過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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847: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/19(木) 19:52:23.49 ID:lJAdciEW0

“ギィ”という音と共に厨房から少女が現れた。どうやら昼食の後片付けが終ったらしい。

マリベル「…………………。」

少女は少年を見つけると彼に身体を向けて椅子に座る。

マリベル「アルス……あんまり……。」



アルス「これは ぼくの罪の証だ。」



マリベル「っ……。」

アルス「バカな好奇心のために 親友を失って……。」
アルス「みんなから 大切な人を 奪ってしまった ぼくの……。」

マリベル「…………………。」

少年は石版を見つめたまま自嘲する。

アルス「…笑ってくれよ マリベル。」
アルス「ぼくは 結局 なにも 成長しちゃいない。」
アルス「……優柔不断で 弱っちい アルスのままだ。」



マリベル「あたしは そうは 思わないな。」



アルス「えっ……?」

振り向いた先にいた少女は目を伏せてはいたが、どこか微笑んでいるようにも見えた。

マリベル「元はと 言えば 世界中のひとが 救われたのは あんたや キーファのおかげじゃない。」
マリベル「それに 王さまや リーサ姫だけじゃない。グランエスタードのみんなが あいつのことを 誇りに思ってるわ。」

少女の言う通り王や王女は彼の決めた道を信じ、みなが彼のことを応援していたのだ。

アルス「でもっ……!」

起き上がった少年は少女に向き直るとその先の言葉を言いよどむ。

少年にも少女の言うことはよくわかっていたのだ。

しかし、それでも少年は思うのだった。

アルス「……それで本当に あの二人は 幸せなんだろうか。」

マリベル「さあ どうかしら。」

アルス「ときどき 思うんだ。」
アルス「人の幸せを 奪っておいて 自分は 幸せになっていいものかって……。」
アルス「ぼくの どこに そんな権利が あるのかってさ……。」

マリベル「…………………。」
マリベル「人の幸せを 奪ったですって?」
マリベル「……バカ言ってんじゃないわよ。」

少女は眉を吊り上げたまま少年が抱える石版を指して言う。



マリベル「あいつなら 幸せにやってるじゃない。」





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