過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
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◆N7KRije7Xs
[sage saga]
2017/01/19(木) 20:52:28.72 ID:lJAdciEW0
マリベル「はっ… はっ……。」
死闘の末、疲弊した少女は甲板にぺたりと座り込んでしまった。
ボルカノ「ぐうぅ…… ど どうなったんだ!?」
凄まじい光と衝撃に身を屈めていた船長が起き上がり、辺りの様子を窺う。
ボルカノ「っ……!」
しかし彼は絶句した。
*「…。」
そこにはただ荒れ狂う波以外、何も残されてはいなかったのだ。
たった一隻の漁船だけを残して。
ボルカノ「あいつらは……?」
マリベル「やった… やったわ アルス……。」
ボルカノ「マリベルちゃん!」
大きく揺れる甲板を駆け抜け船長は少女のもとへ駆け寄る。
マリベル「あっ… ボルカノおじさま……。」
ボルカノ「大丈夫か!?」
マリベル「あたしは 大丈夫です……。」
そう言うと少女は自分の鞄の中をまさぐり、青い液体の入った一本の瓶を取り出すと、中身を全て飲み干した。
マリベル「ふう……。」
ボルカノ「立てるかい?」
マリベル「ええっ。」
ボルカノ「渦まで 消えちまった……。」
ボルカノ「オレたちは 助かったのか?」
マリベル「……そうみたいね。」
マリベル「いや まだだわ。」
ボルカノ「そうだ アルスは! アルスは どうなったんだ!?」
マリベル「アルス……。」
二人は甲板から辺りの海面を見回す。
*「…。」
しかしどこにも少年の姿は見当たらない。
この荒波の中、視界の悪さゆえに見つからないのか、それともまだ海底で闘っているのか、或いは……。
ボルカノ「…………………。」
ボルカノ「ちと 見張りを 呼んでくる。」
マリベル「ええ……。」
そう残して船長は甲板を降りていった。
マリベル「…………………。」
マリベル「アルス……。」
嵐は少しも止む気配を見せない。それどころか更に風は強くなり、今にも海面から竜巻が巻き起こりそうな様子である。
少女も自力では立っていられなくなり、船の縁に掴まって必死に体を支える。
マリベル「お願い アルス 戻ってきて……!」
すがるような思いで少女は彼から託された真珠を握りしめる。
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