過去ログ - 【DQ7】マリベル「アミット漁についていくわ。」【後日談】
1- 20
903: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/01/20(金) 19:29:19.48 ID:K4Y9JjXm0

一方、少女の家を後にした王女と狼の少年は当てもなく村の海岸を歩いていた。

アイラ「マリベル 早まったことしないと いいんだけど……。」

王女が曇り顔で足元を見つめる。

ガボ「オラ マリベルの あんな顔 初めて見たぞ……。」

すっかり元気を失くしてしまった少年が項垂れてぼやく。

アイラ「無理もないわ。」
アイラ「せっかく 結ばれたと 思った矢先に これだもの。」
アイラ「……ふだんは 強がってみせてるけど あの子も やっぱり 女の子なのよ。」

王女は少女の家の開け放たれた窓を振り返り大きなため息をつく。

ガボ「でも よお。」
ガボ「……みんなは ああ言ってるけど オイラには アルスが 死んじまったなんて やっぱり 信じられないぞ。」

そう言って少年は鼻息を荒くして王女の顔を見上げる。

アイラ「……わたしもよ。あの アルスが 魔物ぐらいに やられるわけがないわ。」
アイラ「それに 彼には 水の精霊の加護が あるじゃない。」

ガボ「……そうだよなっ!」

水平線の彼方を見つめる王女の言葉に後押しされ、その顔は徐々に明るさを取り戻していく。

アイラ「……ねえ ガボ。あなた この後 暇かしら?」

ガボ「ん? おう 暇だぞっ!」

動物たちと戯れるのが仕事の彼にとってはいつだって忙しいと言えば忙しく、暇と言えば暇なのであった。

アイラ「それなら メルビンのところへ 行ってくれないかしら?」

ガボ「メルビン?」

アイラ「わたしは バーンズ王や リーサに 事情を 説明してこなくちゃ いけないから 動けないのよ。」
アイラ「だから ね 代わりに 行ってくれないかしら。」

ガボ「そっか。メルビンは まだ このこと 知らないんだもんな……。」

アイラ「お願いできる?」

ガボ「おうっ 任しとけ!」

しばらく腕を組んで難しそうな顔をしていた狼の少年だったが、王女の事情を察してか、
それとも単純にあの好々爺に会いたくなっただけなのか、一つ大きく頷いて応えてみせるのだった。

アイラ「それじゃ 頼んだわよっ!」

それだけ残すと王女は光の軌跡を描いて城の方へと飛んでいってしまった。

ガボ「さてっと。えーと 天上の神殿は……。」
ガボ「……よしっ!」

そして少年も王女の後を追うようにして転移呪文を唱えると、
空に浮かぶ摩訶不思議な神殿を目指して天高く舞い上がっていったのだった。





<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/1492.79 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice