71:名無しNIPPER[sage saga]
2016/12/28(水) 22:52:34.31 ID:Hhhi1HzW0
シエル「他にはなにかありませんか?」
花陽「それが……これは私と先輩だけの秘密にしておいてほしいんですけど──」
シエル「ええ、絶対に口外しないと約束します」
花陽「今朝報道されてた殺人事件がありましたよね」
シエル「音ノ木坂近辺で起こった猟奇殺人のことですか?」
花陽「はい。私、あの事件の犯人を知ってるかもしれないんです」
シエル「へえ……それは興味深い話ですね」
花陽「以前、殺人事件の現場を目撃したことがあって……今回の事件の犯人は、そのときの人と一緒じゃないかって」
シエル「どうしてそう思うんです?」
花陽「……そのときの犯人が、殺した相手の血をまるで吸血鬼みたいに吸ってるのを見て、それで──」
心臓の鼓動が早くなる。
赤く濡れた剥き出しの牙に、人間とは思えない異様な迫力を持つ瞳。
忘れようとしていた記憶が段々と掘り返されていくことで、身体が自然に震え出す。
シエル「小泉さん、小泉さんっ──!」
花陽「……は、はいっ!」
シエル「もう十分ですから、無理に思い出そうとしなくても大丈夫ですよ」
花陽「そ、そうですか」
シエル先輩が制止してくれなかったら、もっと酷い記憶を思い出していたかもしれません。
ここで歯止めをかけることができて本当に良かった。
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