20:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/01(日) 21:06:21.12 ID:YiqUyrv20
「い、いえいえっ、文香ちゃんは同じアイドルの、大切な仲間ですから!! 仲間のためならこれくらい、何てことないですよ!!!」
日野茜は、笑顔でそう言い切ってみせる。
そこまで感謝される程のことではない、と。
――恥じらいの窺える、ぎこちない、強張った笑顔。
けれどもそれは、確かに鷺沢文香のための笑顔。
鷺沢文香も思わず頬が綻び、胸の暖かさが増す。
「茜さん……本当に、有難うございます。いつか必ず、お返しをさせてください」
「そ、そんな、お返しなんていいですよ!」
「いえ、大切なことですから。私も、茜さんのために、何かをしたいのです。……大切な、仲間のために」
「! 文香ちゃん……」
「……これもまた、我儘、でしょうか?」
「い、いえ、そんなことは! ……嬉しい、です」
日野茜は少し俯いて、緊張の緩んだ笑みを溢す。
先程までの強張るばかりだった彼女の表情から力が抜けた様子を見て、鷺沢文香もまた歓びを覚え、微笑んだ。
ちらりと顔を上げた日野茜と、目が合う。
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