過去ログ - 終わらない物語が嫌いな僕と余命が短い女の子の話
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12: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 21:52:03.85 ID:6hLdimli0
「いつも、あの、朝野さんの本を貸してもらって読んでます。どれも面白くて・・・潔癖性とかだったらごめんなさい」と彼女はたどたどしく僕に言った。
 「いや、全然大丈夫だよ。少女漫画とかはないけど、少しだったら漫画も持っているし、今度持って来ようか?」と彼女に聞いた。きっと、病院にずっといて退屈なんだろうと僕は彼女になんとなく同情してしまったからだ。」
 すると彼女は無表情から一変、花が綻ぶようにじんわりと表情を緩ませ、「お願いします」と微笑んだ。



13: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 21:53:38.20 ID:6hLdimli0
ちょっとお風呂はいってきます


14: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 22:28:13.77 ID:6hLdimli0
それから、お見舞いの品を母に渡して少し話したあと、僕は病院から去った。帰り際にちらりと彼女のベッドを見たが、そこには彼女の持ち物であろう小説や漫画がずらっと見えた。漫画の方が数が多かったから、きっと漫画が好きなのだろうと思った。しかし、果物だとか花だとか、所謂お見舞いによく持って来られるようなものは見当たらなかった。



15: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 22:35:34.83 ID:6hLdimli0
 暑い夏の日差しと戦いながら、数冊の漫画と果物を持って僕は三日ぶりに病院へ行った。病室のドアにノックしてあまり聞きなじみのない声の許可を得てからドアを開けた。
 「お久しぶりです、薫さん。」と出会って二度目で名前を呼ばれた。
それ自体はどうということはなかったが、初めて彼女を見たときの印象からは想像できなかったほどにっこりした顔で呼ばれたため、少し動揺してしまった。けれども、妹ができたみたいで嬉しくなった僕は、友達にもみせたことがないであろうほどの笑顔で、「うん、久しぶり」と返した。



16:名無しNIPPER[sage]
2017/01/07(土) 22:42:02.80 ID:cSiMWSK20
読んでるよ


17: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 22:42:08.52 ID:6hLdimli0
どうやら病室に母はいないらしく、きょろきょろと探していると「えっと、香子さんは検査で今はいないです」と教えてくれた。


18: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 22:45:29.78 ID:6hLdimli0
「そっか」と返した僕が落ち込んでるように見えたのか、「すぐ戻ると思います!」とあたふたしながら教えてくれた。その様子が面白くてつい笑ってしまった僕に、「なんで笑ってるんですか」と彼女は少しむくれた顔で言った。僕が思っていた以上に彼女は表情の移り変わりが激しいようだ。



19: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 22:49:58.45 ID:6hLdimli0
「藍野さんの様子が面白くて。悪い意味じゃなく」と言うと、彼女は表情を少し表情を曇らせた。
 「・・・人と関わることが少ないから、えっと、楽しいんです。薫さんや香子さんと話す事ができて。うち、両親がちょっと冷たいもので」



20:名無しNIPPER[sage]
2017/01/07(土) 23:02:52.63 ID:xQq2/qeW0
改行して1レスにもうちょっと多めに書いてもいいと思う
いきなり注意書き書き込まれても紛らわしいし


21: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 23:08:32.49 ID:6hLdimli0
>>20 ありがとう スマホ版で見てみたらびっしり書いてて見づらかったから少なくしてみたけど、もう少しかいてみます


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