過去ログ - 終わらない物語が嫌いな僕と余命が短い女の子の話
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13: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 21:53:38.20 ID:6hLdimli0
ちょっとお風呂はいってきます


14: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 22:28:13.77 ID:6hLdimli0
それから、お見舞いの品を母に渡して少し話したあと、僕は病院から去った。帰り際にちらりと彼女のベッドを見たが、そこには彼女の持ち物であろう小説や漫画がずらっと見えた。漫画の方が数が多かったから、きっと漫画が好きなのだろうと思った。しかし、果物だとか花だとか、所謂お見舞いによく持って来られるようなものは見当たらなかった。



15: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 22:35:34.83 ID:6hLdimli0
 暑い夏の日差しと戦いながら、数冊の漫画と果物を持って僕は三日ぶりに病院へ行った。病室のドアにノックしてあまり聞きなじみのない声の許可を得てからドアを開けた。
 「お久しぶりです、薫さん。」と出会って二度目で名前を呼ばれた。
それ自体はどうということはなかったが、初めて彼女を見たときの印象からは想像できなかったほどにっこりした顔で呼ばれたため、少し動揺してしまった。けれども、妹ができたみたいで嬉しくなった僕は、友達にもみせたことがないであろうほどの笑顔で、「うん、久しぶり」と返した。



16:名無しNIPPER[sage]
2017/01/07(土) 22:42:02.80 ID:cSiMWSK20
読んでるよ


17: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 22:42:08.52 ID:6hLdimli0
どうやら病室に母はいないらしく、きょろきょろと探していると「えっと、香子さんは検査で今はいないです」と教えてくれた。


18: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 22:45:29.78 ID:6hLdimli0
「そっか」と返した僕が落ち込んでるように見えたのか、「すぐ戻ると思います!」とあたふたしながら教えてくれた。その様子が面白くてつい笑ってしまった僕に、「なんで笑ってるんですか」と彼女は少しむくれた顔で言った。僕が思っていた以上に彼女は表情の移り変わりが激しいようだ。



19: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 22:49:58.45 ID:6hLdimli0
「藍野さんの様子が面白くて。悪い意味じゃなく」と言うと、彼女は表情を少し表情を曇らせた。
 「・・・人と関わることが少ないから、えっと、楽しいんです。薫さんや香子さんと話す事ができて。うち、両親がちょっと冷たいもので」



20:名無しNIPPER[sage]
2017/01/07(土) 23:02:52.63 ID:xQq2/qeW0
改行して1レスにもうちょっと多めに書いてもいいと思う
いきなり注意書き書き込まれても紛らわしいし


21: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 23:08:32.49 ID:6hLdimli0
>>20 ありがとう スマホ版で見てみたらびっしり書いてて見づらかったから少なくしてみたけど、もう少しかいてみます


22: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 23:14:41.24 ID:6hLdimli0
なんとなく想像はついていた。最初に彼女のベッド付近を見たとき、お見舞いの品が見受けられなかったように、今日もそのベッドに本以外のものは見当たらなかったから。しかし、気の利いた言葉が出ず、言い淀んでしまった僕に気がついたのか「あ、ごめんなさい。暗い話をしてしまって。持ってきてもらった本、見せてもらっていいですか?」と言った。気を遣わせてしまって申し訳ないが、話題を変えてくれた事はありがたかった。僕はすぐさま袋から本を取り出し、彼女に見せた。

 「比較的短くて、完結済みのやつを持ってきたんだけど、どうかな」
 表紙をみた彼女は「あ、これ・・・」と呟いた。
 それから顔をあげ、「私の好きな漫画家さんの作品です!」と言って彼女は自分のベッドから一冊の漫画を持ってきた。その本は僕が今日持ってきた本とは別だったが、表紙には確かに同じ作者名が書かれていた。


23: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 23:21:20.10 ID:6hLdimli0
それは以前友人に薦められたことのある漫画のひとつだった。当時はまだ完結していなかったため読む気にならず、ネットで適当にあらすじを見て読んだことを装って返した訳だが。
 「ああ、友達に借りたことがあるよ。今は全然知らないけど。完結したの?」
 「いえ、まだです。今は主人公の修行編です」まだ終わっていないのか。僕が借りたのは6年前だぞ。そうして彼女は聞いてもいないのに好きなキャラクターのことやおすすめの巻を僕に紹介した。
 大して真面目に聞いていなかったが、よく耳をすませてみると、
 「私的には○○と△△はお互いに好きなんじゃないかと思うんですよねー」
以下略



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