過去ログ - 終わらない物語が嫌いな僕と余命が短い女の子の話
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22: ◆eZMycVsOYY[sage saga]
2017/01/07(土) 23:14:41.24 ID:6hLdimli0
なんとなく想像はついていた。最初に彼女のベッド付近を見たとき、お見舞いの品が見受けられなかったように、今日もそのベッドに本以外のものは見当たらなかったから。しかし、気の利いた言葉が出ず、言い淀んでしまった僕に気がついたのか「あ、ごめんなさい。暗い話をしてしまって。持ってきてもらった本、見せてもらっていいですか?」と言った。気を遣わせてしまって申し訳ないが、話題を変えてくれた事はありがたかった。僕はすぐさま袋から本を取り出し、彼女に見せた。

 「比較的短くて、完結済みのやつを持ってきたんだけど、どうかな」
 表紙をみた彼女は「あ、これ・・・」と呟いた。
 それから顔をあげ、「私の好きな漫画家さんの作品です!」と言って彼女は自分のベッドから一冊の漫画を持ってきた。その本は僕が今日持ってきた本とは別だったが、表紙には確かに同じ作者名が書かれていた。


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