過去ログ - 終わらない物語が嫌いな僕と余命が短い女の子の話
1- 20
48:名無しNIPPER[sage]
2017/01/08(日) 15:28:16.33 ID:ynodIm3Xo
はい


49:名無しNIPPER[sage]
2017/01/08(日) 15:48:26.09 ID:FSmutK/80



50: ◆eZMycVsOYY[saga sage]
2017/01/08(日) 15:57:06.19 ID:O1Z9DSgO0
 しばらく時間がたち、父が帰ってきた。ガチャンというドアの音が聞こえると,彼女はビクッと肩を揺らし、部屋のドアを見た。それから視線をこちらに移し、
「お父さん、ですか」と聞かれた。父以外の人がドアを開けたら恐ろしいが、今日は早めに帰ると言っていたので父で間違いないだろう。彼女の問いかけに肯定し、「父さんのとこ、行こうか」と言った。
 階段を降りて父のもとへ行く。
「おかえり」
「ああ、ただいま」と父はいいながら芽衣の方を見た。
以下略



51: ◆eZMycVsOYY[saga sage]
2017/01/08(日) 16:00:00.43 ID:O1Z9DSgO0
>>48 >>49 ありがとう 間違っている表現とかあれば教えて欲しいです。 
大分ゆっくりな更新になる予定です。


52:名無しNIPPER
2017/01/08(日) 16:32:41.18 ID:hZ+6tA8x0
ほ〜ん……これは期待できる


53: ◆eZMycVsOYY[saga ]
2017/01/08(日) 17:01:39.57 ID:O1Z9DSgO0
 三人で椅子にかけて、少し話をした。彼女は緊張気味のようだったが、しばらく話すうちに緊張も解けてきたようだ。夕食の時間になり、準備するために席を立った。彼女も手伝いたい様子だったが、大丈夫と言って座らせた。母が入院することが多いため、自炊には小さいときから慣れていた。
 彼女が患っている病気を僕は知らない。どうしても聞く気にならなかったから。聞いてしまえば彼女の死を否が応でも感じることになる。現実逃避のため、彼女に直接聞く事はなかった。
 しかし、晩ご飯を作るにあたって、食べてはいけないものはあるのかが気がかりで、ネットで調べられる限り調べた。何かあっては大変なので、出来るだけ薄味で、かつ野菜やきのこ類を多めにすることを心がけて作った。


54: ◆eZMycVsOYY[saga ]
2017/01/08(日) 17:15:12.12 ID:O1Z9DSgO0
 出された食事を見て、彼女も僕の心境を察したらしく、「ありがとうございます」とじんわりと何かを噛み締めるようにゆっくりと頬を緩ませた。
「制限されてるものとか、量が多かったら残していいからね」と彼女に言うと、「食べ切ります」と自信満々にいった。
 しかしそんな彼女の自信も空しく、彼女は少し食事を残した。おそらく普段病院食を食べる事が多いから、少し彼女には多かったのだろう。それでなくとも、心配になりそうなほど体の細い彼女が食べきれるとは思わなかった。
涙目になりながら、「ごめんなさい」と言われると、なんだかこちらも申し訳なくなり、「いや、大丈夫だよ。ごめんね、父さんと食べる事が多いから女の子の食べる量より多かったかも」と謝った。
「ご馳走になったので、食器洗います」と言われ、大丈夫と断ろうとしたがかたくなに首を縦に振らなかったので、「じゃあ一緒に洗おうか」と言った。
以下略



55: ◆eZMycVsOYY[saga ]
2017/01/08(日) 17:27:55.72 ID:O1Z9DSgO0
 食器を洗いながら、彼女と少し話をした。もっとも、高校はどんな感じなのか、大学生は忙しいのか,彼女はいるのか、など彼女が質問し僕が答えるのが主だったが。
 片付けも終わり、僕たちが先にお風呂に入ったあとに、新しく風呂を沸かした。男が入ったあとのお湯に入れるわけにはいかないし、かといって彼女が入ったお湯につかるというのもなんだかはばかられたからだ。
 お風呂から上がった彼女は可愛いらしいパジャマに着替え、ほっこりとした顔でお礼を言った。
 



56: ◆eZMycVsOYY[saga ]
2017/01/08(日) 17:44:26.92 ID:O1Z9DSgO0
 夜、彼女は母の寝室で寝かすことにした。ちょうどシーツも洗っていたし、母のベッドであれば、あまり抵抗はないだろう。
 病院の消灯時間に慣れている彼女は、そう遅くない時間にベッドへ行った。今日は外出もしたし、疲れが溜まっていたのだろう。「おやすみなさい」と去って行く間際に、「ご飯、美味しかったです。それからお風呂もありがとうございました。それと、街に連れて行ってくれてありがとうございました」と言ってぺこりと味議した。僕も父も心が温まりながら、「おやすみなさい」と言った。
 彼女がいなくなった後、「・・・俺のいる職場でも、あんなに丁寧な子は少ないよ」と父がぽつりと呟いた。
「僕の友達にもあんまりいないよ」と同意した。
 
以下略



57:名無しNIPPER[sage]
2017/01/08(日) 17:59:42.28 ID:FSmutK/80
奇跡が起こりますように


113Res/50.94 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice