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47:名無しNIPPER[saga]
2017/01/09(月) 13:58:00.91 ID:UN4aCHfs0
「やるじゃん鬼塚!」
これまで全く接点の無かった男子生徒からいきなり肩を叩かれる。
「え、え何がどうして?」
鋼は意味がわからない。ーーそれもその筈。つい先程までずっと鋼は女子の身体ーもとい制服を見ていてそれを錦野に勘違いされて罵倒された。
その罵倒に対し急に笑い出したおかしな変態の筈だった。
「錦野さんはね、家がすっごいお金持ちで私達誰も錦野さんに逆らえなかったの」
「それに性格がすごい乱暴で怖かったんだぁ」
「顔は良いんだけどなー性格があれだし何より逆らうと金で何されるかわかんねぇしな」
「そんな錦野をビビらせて追い払っちまうなんてすげえよ鋼!」
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なんだろうかこの気持ちは。
あれからクラスの人達がいっぱい来て、鋼の席を取り囲んで話しかけてくるという珍事。
鋼は驚きと今までの周囲とのギャップからオドオドとしか話せなかったが、それでも周りの女の子なんかは キャー可愛いなんて言って楽しく話してくれた。
「俺、友達が出来たんだ」
硝煙やタバコの匂いなど一切しないのどかで澄み切った空気が鼻腔をくすぐる。かなりの田舎でコンビニに行くまでも一苦労だが実家よりは数倍マシだった。というより寧ろ好きな方なのかもしれない。
田んぼ脇に立つ電信柱のカーブミラーに映り込む、自分のだらし無く笑った口元に手を触れる。
「……可愛いか」
今ここに告白しよう。天下の鬼塚組の次期総長、鬼塚 鋼には誰も知られたくない、母親にすら隠している秘密があった。その秘密とは、
「もっと可愛いって言われたいな」
密かに抱く女装癖であった。
鋼には昔まーちゃんと呼んで遊んでいた女の子がいた。まーちゃんは毎日可愛い可愛いと鋼に女装をさせ続けた。最初は鋼も嫌がっていたものの、可愛いと言われることに徐々に嬉しさを感じていった。
しかし別にそれは女になりたいだとかそういう感情ではない。鬼塚組のイメージとは真反対である可愛いという言葉に惹かれたが故だった。
「(でも、そんな趣味バレたら絶対気味悪がられるよな……)」
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