過去ログ - 那珂ちゃんは申したい!
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1:名無しNIPPER
2017/01/09(月) 17:06:55.12 ID:1VMrQARg0
艦これです。地の文有りです。シリアスな内容ですので話の内容を。捨て艦の那珂ちゃんに提督候補の大佐さんが色々とお話を聞くという内容です。ちなみに鳳翔さんのお話とは一切関係ございません。

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2:名無しNIPPER[saga]
2017/01/09(月) 17:08:28.55 ID:1VMrQARg0

私は一体の艦娘の動向から目が離せなくなった。

それはさも天気絶好の物見遊山に心踊り、隠しきれないそれを体で表現しているようで。その幸福なステップを踏み笑顔あふれるそれを見ると、私はこの先起こりうる現実とは裏腹に乖離した心情を持つあれに、気味の悪さを隠しきれないのだ。


3:名無しNIPPER[saga]
2017/01/09(月) 17:10:46.83 ID:1VMrQARg0

まさか知らないのか。軍艦から生まれ変わり艦娘として人生をやり直し、最初に与えられた任務の内容を。

いや、そんなはずは無いと直感する。

以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2017/01/09(月) 17:13:35.32 ID:1VMrQARg0

ならば何故だ。あの艦娘。川内型軽巡洋艦「那珂」に与えられた任務は、危険海域に到達するまでの本隊の護衛。

提督では無く、本作戦には関わらない大佐の階級を持つ私でも作戦内容は把握している。那珂に渡された資料の内容も勿論私も存じている。

以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2017/01/09(月) 17:16:27.82 ID:1VMrQARg0

しかしその那珂の任務を知った時、那珂は遂行できない任務の責任を自らの命で贖えと突きつけられているのだと知ったのだ。

それは那珂に限った話ではない。那珂一体の命では本隊護衛の額に遠く及ばないのだから。

以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2017/01/09(月) 17:17:22.12 ID:1VMrQARg0

その有様に私は何とも心が痛んだ。

私がこの物達だったら抑えきれない自殺願望に自ら先に命を絶とうと決意するくらいに、澱んだ死の空気がその建物を支配していた。一人として隣に座る艦娘に声を掛けず、下を向き刻々と迫るその時まで延々と待機していたのだ。


7:名無しNIPPER[sage saga ]
2017/01/09(月) 17:22:51.52 ID:1VMrQARg0
車屋行くので8時くらいに再開します。あとずっとこんな雰囲気でお話は進みます。


8:名無しNIPPER[saga]
2017/01/10(火) 00:27:49.15 ID:hibRc8f00

それ故、私はあの「那珂」に釘付けになったのだ。

だがどうやら私に限った話ではないようだ。その那珂とすれ違った他の艦娘も後ろ指を刺すようにひそひそと異様な行動について話しあっている。

以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2017/01/10(火) 00:28:47.89 ID:hibRc8f00

那珂「あっ!こんにちは!提督....って違いましたね。大佐さん」

那珂は私に戯けた雰囲気で直立し敬礼をすると笑顔ではにかんだ。まるですれ違った仲の良い近所の方に挨拶をする様な自然体だ。

以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2017/01/10(火) 00:31:02.22 ID:hibRc8f00

那珂「うーん...。時間はあるかって言われても作戦開始まで残り一時間切ってますからねぇ...。まぁいっか」

だって私はこのままでいいですから。時計台で時刻を確認する那珂は人差し指を唇に押し当てそう言った。そして私の方へ向き直すと、

以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2017/01/10(火) 00:32:17.72 ID:hibRc8f00

人類には永遠のテーマがある。

どれだけ文明が栄え人類の英知では絶対に対抗できなかったとされた深海棲艦への抵抗。不可能を可能にした人類の目まぐるしい日進月歩をもってしても抗うことができないそれは人の運命とも言われ、あるいは終焉とも連想されるテーマの一つ。

以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2017/01/10(火) 00:34:15.98 ID:hibRc8f00

自らの権力を持続し続けるために死を無視しようとした秦の始皇帝は、毒物である水銀を不老不死の霊薬と称し服薬し続けたとか。

しかし見るからに危なかしいどろどろとした銀色の液体を躊躇なく飲める神経を持つ人間は少ない。無論鈍感では皇帝とは務まらないのは明々白々だ。歴とした理由がある上での行動だ。

以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2017/01/10(火) 00:36:06.84 ID:hibRc8f00

その夢物語な錬丹術を現実的に生産しようと派生したのが外丹術という思想だ。

それは、不老不死を可能とする秘薬の生産。その錬丹術では賢者の石と異名がある、辰砂という禍々しい地獄の猛火をその身に押さえ込んだ様な紅色をもつ鉱物使用した。

以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2017/01/10(火) 00:38:09.88 ID:hibRc8f00

この様に手間がかかり尚且つ鉱物から採れる水銀という液体は神聖なものであったに違いない。

面白いことに中国に限らず西洋でもエリクサーを製造するにあたり賢者の石、辰砂を触媒にしたという話もある。

以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2017/01/10(火) 00:39:43.09 ID:hibRc8f00

どうして受け入れるのを拒み続けるのか。有りのままを拒むのか。それは、誰一人として死の先に待つ何かを知らないからだ。

哲学の最初の一歩。人間死んだらどうなるか。

以下略



16:名無しNIPPER[sage saga ]
2017/01/10(火) 00:46:37.19 ID:hibRc8f00
声優さんのあの番組見てたら遅なりました。ほうちゅうさんがいなかったのは、えっ!ってなりました。仕方ないですけど。


17:名無しNIPPER[saga]
2017/01/10(火) 14:19:44.92 ID:MbCTIIFL0

目の前に座る那珂は先程とはうって変わり静かに私が差し出したお茶を啜り極楽気分でいるようだ。一通り飲み終わり落ち着いたところで那珂は話し始めた。

那珂「それで、大佐さんは一体何のお話を私としたいんですか?まさか....アイドルの裏話とかですか!?そ、れ、は、秘密ですよぉ?いくら大佐さんでもそういった事は...」

以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2017/01/10(火) 14:21:57.43 ID:MbCTIIFL0

那珂「え〜。なら那珂ちゃんに聞きたい事は、一体何ですか?」

私がこの艦娘に聞きたい事は二つ。

以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2017/01/10(火) 14:23:36.91 ID:MbCTIIFL0

毎回報道番組にいるうんざりしてやまない記者の真似事を私はしなければならない。

厚顔無恥、恥を知れと心で罵った彼らは職業として厚かましくできる。だが私は探究心から顔を出した突発的な知識欲に苛まれて、那珂に取材をするのだ。

以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2017/01/10(火) 14:26:10.86 ID:MbCTIIFL0

那珂に教えを請うたのは、捨て艦として出撃したらもう二度と会うことがないと解っているからだ。

この先を生き抜く艦娘に聴けなかったのは陰口を言われるのではないかと臆病風が吹いたせいだ。そんな抑えつけた疑問の捌け口に私は、敢えて先の無い那珂を選択したのだ。

以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2017/01/10(火) 14:27:09.75 ID:MbCTIIFL0

私はぐるぐると脳内を輪廻する言葉を繋ぎ合わせ、こう言った。

大佐「那珂は、死んだら、どうなると思う?」

以下略



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