過去ログ - あなたの物語を。トエル 『氷菓』
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55: ◆KM6w9UgQ1k[saga sage]
2017/01/09(月) 19:51:46.83 ID:fiJYedV+0
「える」
玄関の戸が開き、家の中から一人の女性が姿を表していた。
千反田が俺のさしていた傘の下から飛び出し、小走りに女性の元へとかけて行く。
一目で、この女性が誰であるのか理解が及ぶ。体躯も見目もよく似ている。
けれど、まるっきり同じであるということはない。俺の勝手な印象ではあるし、当然といえば当然なのだが、
母親の方には千反田えるにはない積み重ねてきた人生のはっきりとした影響を感じることができた。
瓜二つに見える、その大きな瞳の深奥にもより理性的な色合いを捉えることができるし、
娘の肩に載せた手には母親であるからこその慈愛が見て取れた。
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