23: ◆GWARj2QOL2[saga]
2017/01/11(水) 23:34:12.88 ID:rRiEBhHTO
痛みに悶え苦しむ中、傷口を見る。
そして、目を疑う。
あれ程流れていた血が、止まっている。
それどころか、流れて固まった筈の血さえも消え、見えるのは裂けた己のピンク色の肉のみ。
毛細血管すら、透明になっている。
そして、理解する。
今、吸われていると感じているのは、錯覚ではないということ。
己の腹部を見ると、良く分かる。
真っ赤な液体が、ベルトの中心部に集まっている。
そして循環器のように、再度放出している。
放出された液体は、血液よりもさらに赤く、線となって身体の末端神経まで行き渡らせる。
痛み。
苦しみ。
それだけではない。
身体が、異常に熱い。
その赤い線が行き届いた部分から熱が発生し、蒸気を発している。
「…!!!?…!??」
最早、叫ぶことすら出来ない。
あまりの辛さに、コンクリートの床を叩く。
叩いた箇所から凹み、ひび割れていく。
「…ッッ…ああああああああああああ!!!!」
うずくまる彼女に追い打ちをかけるように、焼けるような熱さがベルトから伝わる。
だが、意識は途切れない。
何かが、自分を無理矢理戦わせようとしている。
「…!?」
そして、苦しみの最中、彼女は見た。
赤い光が、携帯から放たれる、その瞬間を。
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