27: ◆GWARj2QOL2[saga]
2017/01/11(水) 23:39:04.30 ID:rRiEBhHTO
「…な…ぜっ…!!?」
赤いレーザーが直撃した後、遥か彼方から来る人影に気づく。
「…キッッ…サマァ…!!」
先程、自身の攻撃から逃げ惑っていた少女。
涙を流し、鼻水を垂らして泣きじゃくっていた弱々しい、人間の子供。
しかしその形相に、先の印象は消える。
鬼のような形相の、突撃。
間違いなく、こちらを攻撃するつもりだろう。
そして、生かして帰すつもりも、毛頭、無いのだろう。
「…!!…!?」
体の自由は最早効かない。
武装の制御も全く効かない。
攻撃はおろか、防御も不可能。
「ガテゾーン…様…!!」
打開策をメモリーから検索するも、結果は0。
ならば、何故彼女の放った攻撃がセンサーに反応したのか。
だが、それを考えた時、自身の敗因を理解した。
ガテゾーンの実験においての、不都合。
変身する為の、条件。
ガテゾーンによる、改造。
血液。
循環。
だが、それは血液。
熱を帯びた、血。
人間の細胞にいち早く反応する己のセンサーの性能をこれ程恨んだことはない。
「申し訳…ありません…!!」
自身が仕える幹部への心痛の念。
それが意味するものは、敗北。
「でえやああああああッッ!!!!」
その言葉を最後に、彼のメモリーは赤く光る記号の刻まれた靴を記録して、その機能を停止した。
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