過去ログ - 鷺沢文香「燃える彼女がくれるもの」
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6: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:17:01.27 ID:xxHx5Jku0

そんな彼女とは、翌日も顔を合わせることになった。

昨日の会話は、自分が部屋で本を読んでいる時に、プロデューサーが茜を連れてきたことによって始まった。
しかし、この日は逆だ。自分が朝、事務所の部屋に入ると、ソファの上に、なんとも落ちつかなそうな表情の茜が座っていた。
無理もない。新しい環境というものは、多少なりとも人の心に不安を呼ぶものだ。
恐らく自分なら、本を読むという逃げ道を用意していただろう。しかし、行動派(らしい)茜の持つ逃げ道の選択肢は、恐らくどれも体の動きを伴うものばかり。結果として、消化できないウズウズを胸に、ソファに鎮座する以外なかったのだ。

「あっ! 鷺沢さん! おはようございます!!!」

こちらの存在に気がつくと茜はすぐさま立ち上がり、1日ぶりのキレイなお辞儀と、1日ぶりの80dbを披露してくれた。

「おはようございます……」

茜の声に比べると、まさに蚊の鳴くような声。もちろん向こうは気にしない。

「鷺沢さん! 今日はお仕事ですか!? レッスンですか!?」

「私はボーカルレッスンです……。日野さんのご予定は?」

「確か皆さんのレッスンの見学だったはずです! ですが、ダンスレッスンと言っていたので、鷺沢さんのレッスンではなさそうです……」

なぜか茜は残念そうに目を伏せるが、自分としてはラッキーだ。アイドルという未知なるものに大きな期待を抱いている茜に、自分のような不器用なダンスを見せてしまっては忍びない。いずれは見られてしまうものだろうとは思うが、最初は素敵なダンスを見てほしい。
ちらと予定表を確認し、ダンスレッスンが組まれている名前を見つけ出す。
姫川・城ヶ崎・大槻・若林……
よかった、このメンバーなら安心だ。茜に失望感を与えることもないだろう。




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