過去ログ - 鷺沢文香「燃える彼女がくれるもの」
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9: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:19:26.52 ID:xxHx5Jku0
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ある日の午後、レッスン後にいつものように事務所で読書をしていると、ふいに声が掛かった。
「あら、文香。お疲れ様」
「お疲れ様です。奏さん」
栞を挟んだことを確認して、本を閉じる。
声の主は速水奏だ。入社当初からなにかと気にかけてもらっている。
いや、向こうの方が年下なのだから、"気をかけてもらう"というのも変な話ではあるが。
そんな彼女は、口元に軽い笑みを浮かべていた。
「聞いた?」
「……?」
「その顔は、まだ聞いてないのかしら?」
「ええと、すみません、大意が掴めず……」
「ああ、ごめんなさいね、文香、日野茜ちゃんってわかる? つい最近入ってきた娘なんだけど」
「ええ、存じ上げています。何度かお話もしました」
「あら」
奏がわざとらしく目を丸める
「意外ね。文香とは対極の感じに見えたけど」
「それは……否定できませんが」
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