64:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 01:21:36.57 ID:b4qt7MSMo
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好きな人とふたりきりで観覧車に乗るなんて。
よくよく考えれば、これってすごいことよね。
固いシートに腰掛けて、高鳴る胸をおさえた。
歳納京子は座らずに、子供みたいに立ち上がってガラス張りの向こうを楽しそうに見ている。
綾乃(な、何か……何か言わなきゃ)
何度も何度も、これに乗ったじゃない。
光差す眩しい昼も、月の光と夜景がきらめく夜も、茜差す夕暮れも。
この中で、ずっとずっと……歳納京子のことを考えていたじゃない。
京子「観覧車って、なんか一番デートっぽいね!」
綾乃「えっ?」
私の隣に腰掛けた歳納京子が笑った。
京子「ドラマとかでもよくあるじゃん、カップルがふたりで観覧車に乗るシーン! そいで手を繋ごうか迷ったりしながらさ、てっぺんの部分でキスするの!」
なっ……
綾乃「な…………な、ななな、何言ってるのよ!!///」
まったくなんてことを言ってしまう子なんだろう……! キスだなんて……そんなこといちいち言わなくても、誰だって連想してるのに!
もしかしたら、雰囲気がよくなれば自然に手くらいは繋げるかもしれないと思っていたのに……そこで途端に勇気がなくなってしまった。
綾乃(あぅぅ……また反発しちゃった……///)
ついつい突っぱねてしまう癖は、やっぱりすぐには治らない。
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