276:名無しNIPPER[saga]
2017/01/31(火) 21:36:52.79 ID:YrOpoD8To
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片手で雑に掴んだ衣服を、少女は目を細めて見下ろす。
その目に宿る感情は、
幼い少女の見た目からは想像もつかないほど黒く、そして複雑だった。
少女は表情を変えぬまま、無造作に衣服を暗い穴へと放り込む。
かつて彼女が着用していたそれは、
瞬く間に深い闇へと飲み込まれ、やがては宇宙の塵となって消え去った。
踵を返して部屋の出口へと向かう。
扉を抜け、薄暗い廊下をしばらく歩いた先に、少し大きめの扉が見えた。
前に立つと静かな音を立てて扉は開き、
まず初めに目に入ったのは、広い空間とそこに立つ巨大ロボット。
そしてそれを黙って見上げる、気品漂う後ろ姿。
少女はそれまで色のなかった表情にフッと薄い笑いが浮かべ、
歩み寄りながらその背に向かって声をかけた。
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