過去ログ - 無尽合体キサラギ
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619:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:07:29.85 ID:kHht+3Bto
平常のヤヨイであれば、この言葉に身を震わせ、
必死に弁明を始めていたところであろう。
しかし今のヤヨイは全く動じない。
ハルシュタインに抱きついたまま、落ち着いて答え始めた。

以下略



620:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:09:22.10 ID:kHht+3Bto
ヤヨイの話した内容を聞きハルシュタインは眉をひそめた。
理由を聞いてはみたものの、やはり分からなかった。

ハルシュタイン「理解できんな……。
      勝者に擦り寄るなら分かるが、なぜ死を待つばかりの敗者に付く必要がある?
以下略



621:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:13:27.38 ID:kHht+3Bto
  “敬愛するハルシュタイン閣下”
  “親愛なるハルシュタイン閣下”

そんな言葉は今まで幾度となく聞いてきた。
しかしそれはどれも、勝者としての自分に向けられる言葉だった。
以下略



622:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:17:33.60 ID:kHht+3Bto
瞬間、ハルシュタインの脳裏に蘇る。
散っていった二人が残した言葉、そして表情……。
それまで何の感慨もなく素通りしていたものが今、
改めて自身の体を巡っていく。

以下略



623:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:18:43.54 ID:kHht+3Bto
ヤヨイ「ですから、閣下。ずっと一緒に居てもいいですか?」

ヤヨイの問いに、ハルシュタインは答えなかった。
沈黙が続き、ヤヨイは顔を上げて改めて声をかけようとする。
しかし、それは叶わなかった。
以下略



624:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:21:54.63 ID:kHht+3Bto



ハルシュタインは消えた。
怪ロボットたちも、動きを止めた。
以下略



625:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:25:51.51 ID:kHht+3Bto
  「――ただいま」

自室に帰ったアミとマミは、誰も居ない部屋に向かって呟く。
マミの手には、小さな紙袋が端を摘まれるように持たれていた。
それを無造作に机の上に置き、二人は同時にベッドに倒れ込む。
以下略



626:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:27:57.44 ID:kHht+3Bto
結局ヤヨイにはプレゼントを受け取ってもらえなかった。
しかしそのことを知った二人は、特に気を落とすことはなかった。
と言うより、気持ちが上下するような精神状態ですらなかった。

地球を救えた喜び、ハルシュタインやヤヨイを救えなかった悲しみ、
以下略



627:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:32:04.42 ID:kHht+3Bto
マミ「これ見て! シールを剥がした跡がある!」

アミ「ほんとだ……。じゃあ、一回剥がして、貼り直したってこと……!?」

マミ「多分そうだよ! ヤヨイっち、開けてくれたんだ!」
以下略



628:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:34:15.40 ID:kHht+3Bto
そこにあったのは、二つの髪飾りであった。
しかし、アミとマミがヤヨイのために買ったものとは、違うものだった。
黒い、すこし大人びた雰囲気を放つそれをマミは取り出し、片方をアミに手渡す。
二人はその髪飾りに見覚えがあった。

以下略



629:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:37:27.77 ID:kHht+3Bto
アミはベッドに腰掛け、髪飾りを両手で握り締める。
マミはそんなアミの肩を、優しく抱きしめる。

アミ「仲直り、できたんだよね……? 私たち、もう一回友達になれたんだよね……?」

以下略



630:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:42:05.98 ID:kHht+3Bto



タカネ「……おや、もう時間ですか」

以下略



631:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:48:05.56 ID:kHht+3Bto
地球から遠く離れた緑の惑星、アニマ。
その一画で今、賑やかな食事が始まった。
星を襲撃したもの、されたもの。
機体を破壊したもの、されたもの。
全てが一様に同じ食卓を囲むこの光景には、
以下略



632:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:49:30.39 ID:kHht+3Bto
ヒビキ「そう言えば、タカネがここに来てから今日で一週間だよね。
    妹のこと、本当にいいのか? 自分は別に、無理して居てもらわなくても……」

タカネ「ヒビキ。そのことについては、もう散々話し合ったはず。
    元気にやっていることさえ分かれば、今はそれでよいのです」
以下略



633:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:52:48.28 ID:kHht+3Bto
らぁめんとは全く異なった料理。
わかるのは米と野菜と肉で、
白い米とコントラストなす半液体状の何か。
まだ数口食しただけであるが、辛味の中に内包された豊かな味わいに、
タカネはもうすっかりこの料理が気に入ってしまっていた。
以下略



634:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:56:12.16 ID:kHht+3Bto
タカネ「……食とは文化であり、人を表すものでもあります。
   その人の経験や思い出によって、美味と感じる味は変わってきますから……。
   きっとアミとマミにとっては、大きなにんじんと小さいじゃがいもが、
   彼女たちの人生の中に大切なものとして刻まれているのでしょう」

以下略



635:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 23:02:09.65 ID:kHht+3Bto



マミ「ほらアミ、早く走って! 急がないとお昼休み終わっちゃうよ!」

以下略



636:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 23:03:43.28 ID:kHht+3Bto
そうして、なんとか休憩の終わりまでにいつもの昼食場所に着いたアミとマミ。
そこで二人は包みを広げて弁当箱を取り出し、元気よく手を合わせた。

アミマミ「いっただきまーす!」

以下略



637:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 23:05:45.86 ID:kHht+3Bto
アミ「さて、と」

マミ「今日も行きますか!」

そう言って取り出したのは、煌く石を携えた腕輪。
以下略



638:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 23:06:45.73 ID:kHht+3Bto
これで終わりです。
付き合ってくれた人ありがとう、お疲れ様でした。


639:名無しNIPPER[sage]
2017/03/12(日) 08:30:19.26 ID:7PhtGmMlo
完結乙!
是非とも映像で見たい内容だった


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