617:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 22:01:25.33 ID:kHht+3Bto
アミたちは焦燥から目に涙すら浮かべ、
自らも怪ロボットを殴り、蹴り、必死で引き剥がそうとする。
ノイズの混ざったヤヨイの声を聞きたくないとばかりに、抵抗の叫びを上げ続ける。
しかし、その叫びと抵抗を、静かな短い言葉が止めた。
もはや聞き取ることすら困難なほど雑音にまみれた言葉が、
それでもアミとマミの耳に、心に、一瞬にして深く深く届いた。
ヤヨイ『……アミ、マミ』
二人の名を呼んだ、それはまさしく“ヤヨイ”の声。
共に笑い、幸せを共有し、裏切られ、戦い、そして救われた、
他の何者でもない、本当のヤヨイの声。
アミとマミは、時が止まったかのように静止する。
そしてノイズすら掻き消えたかのような静寂の中、
ヤヨイ『野菜くらい……ちゃんと切れるようになりなよ?』
その言葉を最後に、もう二度と、
インカムから音声が流れてくることはなかった。
闇の蠢く空間はハルシュタインとヤヨイを飲み込み、
そして、消滅した。
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