過去ログ - 女「また混浴に来たんですか!!」
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117:名無しNIPPER[saga]
2017/02/18(土) 15:33:49.95 ID:FjDEx+7n0
親父「小さな民宿に泊まった。広さは四畳で、畳は全てかびていた。俺以外に宿泊者は誰もいなかった」

親父「俺はそこで数日間過ごした。好きな時間に起きて、酒を買って飲んで、寝て。ひたすらそれの繰り返しだった」

親父「所持金にも余裕がなくなってきた。俺は支払いもせずに黙って民宿を出た。どこまでも世界に嫌われてやろうと思った」

親父「今が朝方なのか、夕方なのか、どちらかわからなかった。日が登ろうとしているのか沈もうとしているのかの区別がつかない」

親父「外は誰も歩いていなしし、寒さは変わらないし。腕時計なんてものも持っていない。そもそも、時間を気にする必要がなかった」

親父「ずっと歩いていた。多分、自殺しようとしていたんだろう」

親父「足のつま先の感覚も、寒さが痛さに変わり、やがて麻痺して気にもならなくなって」

親父「死ぬことだけを考えている頭で、ふと、お湯がほしいと思った」

親父「お湯。お湯。数か月前まで夜の街で贅沢三昧金をばらまいていた俺が、死の間際に求めていたものはそれだけだったんだ」


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