過去ログ - 女「また混浴に来たんですか!!」
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263:名無しNIPPER[saga]
2017/03/12(日) 21:40:22.25 ID:MqkE3KNv0
親父さんは容赦のない戦い方をする。
喉仏をめがけて拳を振るってきたり、鳩尾に膝を乗せようとしてきたり。
264:名無しNIPPER[saga]
2017/03/12(日) 21:45:22.05 ID:MqkE3KNv0
親父「これは……もう降参だな」
男「死んでくれるか」
親父「助けを呼ぼう」
265:名無しNIPPER[saga]
2017/03/12(日) 21:58:26.11 ID:MqkE3KNv0
水中では普段のような暴力が活かせず、技術がものをいいやすかった。
親父さんに形成が傾いた。
俺は親父さんから逃れようとしながらも、親父さんから距離を置くことができなかった。
266:名無しNIPPER[saga]
2017/03/12(日) 22:10:22.65 ID:MqkE3KNv0
親父さんはもう力が尽きかけているようにみえた。
このまま殴りつけ、水に沈めようと思った。
親父「もう……許してくれねえか……」
267:名無しNIPPER[saga]
2017/03/12(日) 22:14:27.84 ID:MqkE3KNv0
身体つきだけで喧嘩は決まらないと親父さんはよく言っていた。
俺が親父さんを理解している以上に、親父さんは俺を理解していた。
俺が親父さんを愛している以上に、親父さんは俺を愛していたのかもしれない。
268:名無しNIPPER[saga]
2017/03/12(日) 22:26:01.91 ID:MqkE3KNv0
俺は、誰にも気づかれない死体、にはならなかった。
目覚めたのは病院だった。
早朝に散歩をしていた男が、足だけ湯に浸け岩の上で横たわっている俺と親父さんを見つけたらしい。
269:名無しNIPPER[saga]
2017/03/12(日) 22:35:25.27 ID:MqkE3KNv0
20代を刑務所で過ごした。
俺は親父さんをナイフで刺殺したことになっていた。
冤罪といえば冤罪だが、真実といえば真実なのだろう。
270:名無しNIPPER[saga]
2017/03/12(日) 22:47:13.02 ID:MqkE3KNv0
俺は俺の人生を後悔し続けた。
俺の他にも殺人を後悔している者はいた。
だが、被害者に対して謝罪の気持ちを示すものは俺の周囲にはいなかった。
271:名無しNIPPER[saga]
2017/03/12(日) 23:02:53.52 ID:MqkE3KNv0
10年近い労働の対価で、俺は刺青を彫りにいった。
出来る限り親父さんの模様を思い出しながら、彫師にイメージを伝えた。
親父さんと同じように体中に彫るつもりだったが、温泉に入れなくなるのは困ると直前になって思いなおした。
272:名無しNIPPER[saga]
2017/03/12(日) 23:17:08.32 ID:MqkE3KNv0
男「だから後悔したぞ。お前に話しかけた時はな」
女「…………」
男「仕事の都合でこの地にたどり着き、親父さんの過去を追うように早朝の5時に風呂に浸かり」
273:名無しNIPPER[saga]
2017/03/12(日) 23:32:23.01 ID:MqkE3KNv0
男「お互い暗い過去には触れ合うのをやめるんじゃなかったのか」
女「暗闇でも見つめ続けていれば、目は順応して光を見つけられます」
男「もう関わるのをやめろ」
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