過去ログ - 女「また混浴に来たんですか!!」
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93:名無しNIPPER[saga]
2017/02/12(日) 03:32:01.89 ID:+Nlxqdvp0
「私は、正しい」
俺の頭を両手で押さえつけて、目をじっと見据えながら、母はこの言葉を俺に植え付けていた。
物心が付く前から行っていた教育らしい。
功を奏し、俺の心は母の物になった。
俺は母親に愛されるためではなく、母親を愛するために生まれてきた男の一人になった。
俺は主張をすることをしなかった。
じっと耐えることができる男になった。
小学生にあがっても俺は寝小便をしていたし、学校では落ち着きがないと言われた。
そのことで母親に暴言を吐かれ、暴力を振るわれても、一切何も言わず、黙って愛のない鞭を受け容れ続けてきた。
俺にとって、母は正しい人なのだから。
母は容姿の美しい人だった。
学業面に関しても昔は賢い人であったそうだ。
そして、傷跡の多くある人だった。
自分でも傷をつけ、男からも傷をつけられていたらしい。
母と交際しても、唯一傷をつけたことがない男が実父だった。
大人しい人だった。
その実父が、ついに、一度だけ母に手をあげたことがあった。
夜遅くに帰宅した実父は、ぼこぼこにされている俺を見て、母に痛みの意味を少しでも教えようとしたらしい。
母は一瞬呆然としたあと、これまで見たことがない様な恐ろしい形相を浮かべ、激しい自傷行為に及んだ。
俺は、安心できる場所というものをこの日完全に失ってしまった。
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