52: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2017/01/25(水) 14:39:02.17 ID:2QzEDCRD0
< コーン、コーン
海未「おや、鐘の音ですね」
ことり「これって時間を知らせる鐘の音なんだよね。スマホどころか腕時計も無かった昔の人はこれで時間を知っていたんだね」
海未「100年前と同じ方法でこうして時間を知る。そう思うとなんだか感慨深いですねぇ」シミジミ
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北海道庁旧本庁舎内
穂乃果「遠くからでも目立つ赤レンガの大きな建物だね」
ことり「中は白い壁に赤いじゅうたん、階段の手すりは深い茶色の木でできたオシャレなデザイン。ここも洋風で素敵なお屋敷だねー」
海未「ええ。時計台から近いのでここまで来て入ってみましたが、ここはどんなところなんでしょうか」
おばさん「こんにちはー。ガイドしますので何かありましたらどうぞー」
海未「あっ、こんにちは、ありがとうございます。早速ですみませんが、ここは?」
おばさん「簡単に言えば昔使っていた北海道の役所ですよ」
ことり「洋風な趣が素敵ですね。でも、日本のお役所なのにどうして洋風なんですか?」
おばさん「それは日本が明治に入って北海道開拓が本格的に始まった時、欧米からたくさん学者さんを雇ってその建築技術を取り入れたためですね。時計台で有名なクラークさんも雇われたうちの一人ですよ」
ことり「そうなんですかー。だから北海道の昔の街並みは洋風な建物が多かったんですね」
おばさん「そうそう」
海未「クラークは植物学者ですよね。現代の北海道は農作が盛んですが、やはりそれは開拓時代にクラークによって伝えられた知識が元になっているのですか?」
おばさん「んー・・・。農作に関しては本州から来た人達の努力の成果が大きいですかねー。トウモロコシやじゃがいもはすぐに育つようになったのですが、日本人が大好きなお米は寒い土地でなかなか育たなかったんですよ。育ってもおいしい物ができなかった。それでも何度も何度も試行錯誤の品種改良をして味は良くなって、その結果、今や広大な土地を活かした大量収穫でコストを抑えた農法で、ここ北海道は日本一のお米生産量を誇っていますよ」
穂乃果「北海道と名の付く食べ物は大体おいしいよねー」
海未「ええ、それもこの寒いながら広大な大地を開拓してくれた先人達の努力の賜物というわけですね。感謝しないと」
おばさん「そうですねー。ただ、北海道は広大過ぎて移動が大変でねー」
海未「確かに、苫小牧からここに来るのにも結構時間がかかりましたし。それと私達これから明日にかけて旭川まで電車で行く予定なんですが、乗っている時間が結構長いですね」
おばさん「あー、ここから旭川までは100kmちょっとですけど、本州の都会から来た人は長く感じるかもですねー。道民だったら電車じゃなくて車で移動する人が多いんですよ。だから旭川まで新幹線を走らせようっていう計画が今ありますけど、そんな線路作ったって熊しか走んないから意味無いでしょ、って言う人も結構いたり」
海未「いえ、意味が無いと言うことは無いですよ。今日本はデフレなんですから、熊しか走らないなんて言わずに、公共事業として新幹線や道路や鉄道・駅はどんどん税金を投入して建設するべきじゃないでしょうか。そうやってインフラが整備されればあらゆる事業の生産性が向上しますし、今東京に一極集中している人口や企業も各地に分散しやすくなって、そうすれば災害時等における安全保障も強化されますしね。それに、道民は車を使う人がほとんどと言われましたが、私達みたいな学生や高齢者は車を運転できないですよね。ただでさえ今は少子高齢化なのですから、車を運転できない人達にも多種多様かつ積極的な生産及び経済活動をしてもらうべきであって、そのためにはやっぱり鉄道や新幹線があちこちに必要なはずですよ」
おばさん「お、おう・・・・」
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