過去ログ - 未来人「少し先の未来で、待ってるから」
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7: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/03(金) 20:00:43.31 ID:Nr4cjnOQ0
 次の日、川田はあっけなく発見された。

 学校の近くにある、誰も住んでないアパートの真下にいたらしい。
 でも、見つかったのは、首と胴と足だけで、両腕はどこにもなかった。

 またたくまにその話は広がった。

 私は、怖いなぁ、と感じた。

「あのおじさんに食べられたんだ」

 肉団子にされるのでは? と思ったけど、みんなはそんなこととっくに忘れていて、今度は手足をもいで自分のものにする妖怪、という設定になっていた。

 さわがしい中、ひときわ大きな声が教室に響いた。

「知ってるか? 人って、飛び降りたら手と足がふっとぶんだぜ!」

 それを聞くと、男子はすげーと呟き女子は怖がり、中には泣き出す子もいた。

 学級委員長で女子のリーダーでもある山田が彼を責めると、彼は一気に勢いを失った。

 私は黙って立ち上がると、そのまま静かにトイレに向かい、個室に駆け込み、胃の中のものを吐き出した。肉団子。

 のどが異様に広がって、胃液でピリピリと痛かったことを覚えている。

 激しい嘔吐感とめまいに耐えていると、いつのまにか、後ろに未来人がいた。

「あれは、人間の進化系だから、見ちゃうと、本能的に死ななきゃ、って思うんだろうね。早く生まれ変わるために」

 私は、その綺麗な声に、フキンシンだな、と思った。



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