過去ログ - ボクが如何にして美穂さんのお腹に堕ちたのか(デレマスSS)
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2:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 09:42:17.70 ID:4Sbe5APxo
 輿水幸子にとっての小日向美穂という存在を、はたして幸子はどう思っているのかと言われると答えを窮することになる。しかしその理由はけっしてネガティブな意味合いとしてのものではなくて、むしろ大きくポジティブに寄っていると言っても過言ではない。

 曰く、いつも優しい人であり。
 曰く、ボクに負けないくらいにカワイイ人であり。
 曰く、頼れる人である。


3:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 09:42:46.47 ID:4Sbe5APxo
 それらを合計して考えてみたところで漸く幸子にとっての小日向美穂という存在を、ひとつの言葉で言い表すことができるかもしれないと思い付いた。

 輿水幸子にとっての小日向美穂は──
 姉のような人、かもしれない。

以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 09:43:19.49 ID:4Sbe5APxo
「ま、まったく美穂さんはボクの部屋に遊びに来たと思ったらうっかり寝てしまうなんて、いけませんね!」

 シャツの裾がめぐり上がりこんにちはしている無防備なお腹を見て、ごくりと生唾を飲み込む。普段から陽に当たることのない場所であるので当然であるが日焼けをしていない綺麗な白い肌である。
 綺麗と言えばお臍も綺麗だ。アイドルなので当たり前ではあるのだけれど綺麗に手入れされている。なだらかな無駄なものがついていないお腹に小さくある凹みは、何故だかいけない気持ちになる。


5:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 09:43:46.47 ID:4Sbe5APxo

 ……いや、いやいやいや。



6:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 09:44:12.89 ID:4Sbe5APxo
 何を考えているのだ輿水幸子。寝ている美穂のお臍に──まさか指をいれてみたいなどとか、そんなことは考えるだけでもいけないことではないのか。
 自分を信頼しているからこそのこの無防備な姿である。その信頼を裏切るということは許されることのない罪だ。
 だがしかし──仮にである。これがわざとだったとしたらどうだろうか。噂に聞く誘い受けというものであるとするならば、この躊躇いは意味のない堂々巡りなのではないだろうか。


7:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 09:44:39.22 ID:4Sbe5APxo
 もちろん、幸子とて浮かれたそのような考え方が荒唐無稽なものであるということは重々承知しているけれども、然りとて数多全ての可能性を考慮するということはけっして無駄にはならないことであり、無意味であったとしても無意義ではないのではないのだと言いたい。

 とどのつまりお腹を触りたかった。


8:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 09:45:06.70 ID:4Sbe5APxo
「いやいや、このボクともあろう者が、まさかそんなわけがないでしょう」

 ……ないですよね? ないない。そんな、まさかどこかのミツボシじゃあるまいし、そんな鬱屈を溜め込んだ結果ひねくれた性癖を抱え込んだりはしない。
 誰に対するわけでもない言い訳を口にするが、そんな言い訳は意味もなく虚しくあたりへと霧散するだけだった。

以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 09:45:32.75 ID:4Sbe5APxo
 冷静に状況を振り返ってみる。美穂が無防備にお腹を出したまま寝ている。ヤバい。いや違う。美穂が眠っているのは幸子のベッドだ。掛け布団は畳まれた状態であり、マットレスに寝転がった状態で眠ってしまったようである。
 そもそもベッドに腰を掛けて本を読んでいたはずで、そのあいだ幸子はノートの清書をしていた。たまに思い付いたように会話を挟むこともあったが、基本的には静かな時間を過ごしていたはずだ。


10:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 09:45:58.87 ID:4Sbe5APxo
 というのも、美穂が幸子の部屋にやってきてゆっくりとするということは何も珍しいことではない。放っておけばひとりで過ごしがちになる幸子の様子を見にやってくることがよくあるのだ。
 今でこそKBYD(カワイイボクと野球どすえ)や142,sなど、仲の良い仲間、友人が出来た幸子ではあるのだけれども、しかし、最初はそうでもなかったのだ。


11:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 09:46:26.10 ID:4Sbe5APxo
 セルフプロデュースでアイドルをしていた幸子は埼玉で行われたライブバトルに負けて以来押し掛けるように現在の事務所へ所属したのだけれど、その所属過程がゆえに最初は事務所内でも浮きがちだった──というよりは馴染もうとすることがなかなかできなかった。
 元来幸子はプライドが高く、また自分本意とも受け取られかねない誤解の受けやすい言葉遣いをしているという自覚も相俟って、新たな事務所でコミュニケーションを取ることが難しかった。


12:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 09:46:55.17 ID:4Sbe5APxo
 そんな幸子のことを人一倍気に掛けていたのが──小日向美穂である。
 美穂が生来より持つ他者への慈愛の心、聖母マリアのような慈しみと優しさが一人寂しくしている幸子を放っておけなかったのである。

『幸子ちゃん、一緒にご飯行かない?』

以下略



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