過去ログ - 2月の昼下がりに橘ありすと話すことについて
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12: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/02/07(火) 19:52:33.87 ID:0cqd1nr10
 「旅行の計画?」

 「立てるだろう、ありすも。ここじゃないどこかへ旅に出かけるなら」

 僕がそう問いかけると、少し考え込む表情になってから、真面目にも彼女は頷いた。

 「それはまあ、そうです」

 「でもそれだと、仕事なのになんだか楽しそうですね」と彼女は薄く微笑みながら付け加えた。


 そのとおり。この仕事はとても楽しい。
 仕事である以上、きちんと負うべき責任を我々は負う。しかも殆どの場合それは自分の仕事でありながら、同時に担当アイドルの仕事でもある。
 加えていうなら、今回はプロジェクトの仕事でもある。幾重にも連なった責任は、絶えず後ろからついてくる。

 だけど僕にとって、アイドルのプロデュースというものは仕事というよりは、娯楽の方がニュアンスとして近い。娯楽というよりは、家事と呼んだ方が更に近い。
 つまり僕の生活にとってなくてはならない存在ではあるけれど、それは大して重荷というわけでもないということになる。
 最近なんとなくわかってきたことだけど、仕事に対してこういう姿勢で無理なく臨めることは、僕が考えている以上に稀有で幸せなことなのかもしれない。

 「うん」

 「少なくとも僕は、楽しんでいるかもしれない」


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