過去ログ - 2月の昼下がりに橘ありすと話すことについて
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◆K5gei8GTyk
[saga]
2017/02/07(火) 20:08:17.78 ID:0cqd1nr10
丁寧な包装を取り去ると、包まれていたのはカランダッシュのボールペンだった。
シンプルで無駄のないボディに、精緻な装飾が施されていて、思わず感嘆の息が漏れてしまう。
実際に手に取って見るのは初めてだった。まるで感情を持っているかのように、それは意味ありげに輝きを放っている。
「カランダッシュか」と僕は言った。
「プロデューサーに似合うかと思って」
僕にはとても瀟洒すぎる気もするけれど、手には馴染みそうだった。
「似合う人間になるよ」僕は笑いながら言葉を返した。
「それに、実を言うと、そろそろペンを新調しようと思っていたんだ。前のはもう相当古くなっていて。だから本当にありがとう」
改めて礼を述べると、彼女は慎ましげに微笑んだ。
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