31: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/12(日) 00:31:23.30 ID:BcSldTJc0
4時間目が終わっても、岡西は帰ってこなかった。
何人かの先生は慌ただしくしていたけど、授業は普通に行わていた。案外、何があっても生活のリズムが変わることはないのだな、と感じた記憶がある。
滝野の方は、1時間目が終わると、保健室に行って、そのまま早退していた。
給食の準備時間、廊下から山田と中村に呼ばれたので、3人はこっそりと階段までいって、陰に隠れて話した(給食の準備時間は立ち上がってはいけないルールがあった)。
「岡西、まだ戻ってないのか」
「うん。そのまま帰ったのかもしれないけど」
「帰ってないよ」
驚いて振り返ると、階段の手すりに未来人が座っていた。
スカートの中が見えそうになって、中村と私は目をそらす。
「どうしてわかるの?」
山田が尋ねると、未来人は表情を変えずに答えた。
「さっき、先生たちが話してたの聞いた」
なら、まだどこかで寄り道しているか、学校にいるのか、どちらかだろう。
「そろそろ給食の準備できるよ」
未来人はそう言うと、手すりから降りて、教室へ戻っていった。
出歩いていたのが見つかってしまう。私たちは急いで教室に戻った。
別れ際、私は山田と中村に、昼休みも話そう、と伝えておいた。2人は頷いた。
教室に入って、未来人の方を見ると、彼女はまるで一度も立ち上がっていないかのように、その先に馴染んでいた。
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