過去ログ - 武内P「女性は誰もがこわ……強いですから」
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164: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2017/03/03(金) 20:38:08.85 ID:cn/ymcwe0
熱をもった頬に優しく手が添えられる。
ソファに体を預けながら、ゆっくりと上体を倒していく。

頬と肩にかけられた手は力強さという点では頼りありませんが、触れた箇所から慈しみが全身を覆い安心させてくれます。

そうして、私の上体は倒れ終わりました。
後頭部が柔らかくていい匂いのするものに包まれています。
思わず首を動かして、頬に触れさせてみました。
すべすべとした気持ち良さに、今度はうつ伏せになって鼻をこすりつけます。
なんといい枕なのでしょう。


「ひゃんっ」


小動物のような、抱きしめて包み込みたくなるような可愛らしい鳴き声がしました。
その声がおかしくて、愛しくて、鼻をこすりつければまた耳にできるかと試してみます。


「あっ……あ、んっ」


先ほどとは違った、けど同じぐらい心地のいい音色。
甘い匂いが鼻孔を満たす。

お菓子とも香水とも違った、比較するのも愚かしい豊潤な香り。
この枕だけがもつ特別なものなのか。


「もう……エッチなんですね」


エッチ?
私は今、こんなにすばらしいものにイヤらしいことをしていたのですか。

霞がかった頭でも恐れ多いことをしていたことを認識でき、鼻をこすりつけることを止め、仰向けに戻ります。


「あ……」


心なしか残念そうな声が漏れました。
ひょっとしてうつ伏せのまま絹のような感触を味わい、とろける様な匂いを堪能し、可愛らしい声に包まれ続けてもよかったのでは。

そんな無念が起きましたが、心の奥底からそれは決して許されないことだと警告が送られます。
しかしなぜ許されないのでしょう。
私は誰で、私の傍にいる方は誰なのでしょうか。


「疲れてるんですね……このまま眠ってください」


このままではいけないという焦燥感は、額を優しくなでられたことで霧散した。
意識が深い泉に沈み込んでいく。

確かに、私はここ数日とてもとても疲れたような気がする。
そして今日は、その疲れた原因から目をそらそうとガムシャラに働いたはず。
言われてみれば相当疲れている。
お言葉に甘えて……後頭部を温かく包まれながら、額を慈しまれながら、天国のような環境で眠らせて……いただきます――


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