過去ログ - 武内P「女性は誰もがこわ……強いですから」
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◆SbXzuGhlwpak
[sage]
2017/03/03(金) 20:46:58.55 ID:cn/ymcwe0
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「……ざっくりと説明しましたが、わかりましたか」
「あ……あうあう」
茹でたタコのように顔は真っ赤に染まり、全身が羞恥から小刻みに震えています。
日野さんの性知識で今の話を聞いたことも大きいでしょうが、何より知らなかったとはいえ私に言ってしまったことが頭の中で何度もリフレインしているのかもしれません。
それにしても羞恥に染まる日野さんの姿はたいへん珍しく、そして愛らしい。
普段が元気があふれ出んばかりなので、こういう姿をファンの皆さんが見る機会をつくれたら今以上に人気が出るのでしょうが――多分本人は嫌がるので、ここから先を考えるのは止めましょう。
「先ほどの日野さんの提案ですが、ご存じなかったので仕方ありません。なのでこれからは、結婚しようとか子どもを産むなどという言葉は控えましょう」
慰めようにも下手にこの話題を続けた方が辛いだろうと考え、話を打ち切ろうとしました。
結果だけ見れば、日野さんが正しい知識を得るきっきけができて良かったとも思えます。
もしこれが多くの人の前やテレビの収録中だと考えると――
「う……みます」
「日野さん?」
デリケートな説明を終え、事態も解決できたと安心した矢先でした。
日野さんはやはり顔を真っ赤にしながら――いえ、先ほどよりさらに真っ赤に染め上げ、力を込めようと拳を握っています。
しかしよく見ると拳は形をつくっているだけで握りきれておらず、声も日野さんらしからず弱々しい。
普段とはありとあらゆるものが違うなか、それでも瞳だけはいつものように私を真っ直ぐに見つめて、彼女は決意と、そして先ほどは無かった勇気を振り絞りながら震える唇に少しずつ言の葉を乗せていきます。
「プ……プロデューサーが相手なら、赤ちゃん……う、産みます!」
…………………………説明が、足りなかったようです。
「い、今なら友達が言っていたことがわかります。私が信頼した人に全部任せていいと。ああ、あんなこと……ち、ちなみにプロデューサーのはどのぐらいの大きさなんですか?」
「そ、それは……女性にスリーサイズを尋ねるのと同じぐらいデリケートな問いです」
女子高生に自分のモノが隆起したサイズを教えるなど全力で回避したいです。
しかし日野さんは不思議そうな顔をして、あっさりと逃げ道を塞ぎました。
「でもプロデューサーは私のスリーサイズを知っていますよね?」
「そ、それは……」
プロフィールの作成や衣装合わせに必要だからなのですが、知っていることには変わらないので日野さんは納得されないでしょう。
それにひょっとすると、私の大きさを知れば考え直してくれるかもしれません。
「……誰にも言わないでもらえますか?」
「は、はいっ!!!」
人として、許されざる道を歩んでいることが否応なしにわかります。
ああ、なんとプロデューサー業とは修羅の道なのか。
一度深呼吸して意を決します。
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