過去ログ - 武内P「女性は誰もがこわ……強いですから」
↓
1-
覧
板
20
260
:
◆SbXzuGhlwpak
[sage]
2017/03/11(土) 11:30:51.99 ID:23pDOjCz0
Iありすちゃん、待ち合わせ場所は●●に変更するのがオススメですよ
日野さんを医務室に預けた帰り道のことでした。
自販機前のロビーチェアで、一人の女性が腰を落ち着け本をめくっています。
深い知性を感じられる蒼い瞳の輝き、絹のような長い黒髪、ページを一つ一つ確かめながら優しくめくる細い指先。
何をせずともただ彼女が落ち着いて物事に集中しているだけで、この場いったいが清浄な空気に包まれたように思えます。
そんなことを彼女――鷺沢さんを見て思っていると、急に彼女の様子が一片しました。
形のいい眉を寄せ、さらに持っていた本を間近に近づけます。
よく見ると彼女が手に持つ本は、文庫本でも文芸誌でもなく、華やかな表紙の女性ファッション雑誌だ。
意外だと思うのは年頃の女性に対して失礼なのでしょうが、彼女が読むタイプの雑誌ではないので軽く驚きます。
アイドルとして勉強しているのか、純粋に興味があるのか、あるいは時間つぶしに横にあるマガジンラックから適当に抜き取ったのか。
いずれにせよ彼女がその雑誌に集中していることに変わりありません。
彼女は信じられないというように小声で何かを呟き、顔も赤くなっています。
読書の邪魔をしてはならないと、足早に過ぎ去ろうと目の前を横切った時のことでした。
「誘惑……男性は、女性に誘惑してほしいものなのでしょうか?」
「……そういった男性は少なからずいると思います」
鷺沢さんは恥ずかしいのか本に目を向けたままの問いに、とっさに当たり障りのない答えを出します。
すると彼女はさらに難しい問いかけへと移しました。
「では……CPのプロデューサーさんも誘惑されたいのですか? そのような趣味が?」
「いえ、その……」
予想外の問いかけに言葉が詰まると、彼女は肩を落としてため息をついてしまいました。
「仮にそのような趣味があったとしても……私のような地味で暗い女に誘惑をされても困惑なされるか、あるいは誘惑されているということにすら気づいてもらえないでしょう」
「……それだけは決してありません。貴女に誘惑されて、平静でいられる男などいません」
これは迷いなく答えられる問いだったので、静かに断言しました。
深窓の令嬢のように一つ一つの所作が美しく気品があり、それでいて嫌味さを一切感じられない控えめで貞淑な装い。
長い黒髪のストレートはシンプルであるが故に他の追随を許さず、彼女の肩を境に前後に流れる姿は、川の中央で直立する岩を境に流れを変える水のような美しさを持つ。
優しく響く澄んだ声音は言葉を一つ一つ選ぶようにゆっくりと、そして深い教養を裏付けに物事を多角的に美しく表現される。
そのうえ内気な性格であるにも関わらず、アイドルとして不慣れであったことにも取り組もうとする健気で前向きな姿。
アイドルは皆、男の理想を少なからず体現しています。
そして鷺沢さんはそんな男たちの理想への一つの答えとすらいえるでしょう。
鷺沢文香
blog-imgs-90.fc2.com
<<前のレス[*]
|
次のレス[#]>>
340Res/403.49 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
板[3]
1-[1]
l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。
過去ログ - 武内P「女性は誰もがこわ……強いですから」 -SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/kako/1486799319/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice