過去ログ - 武内P「女性は誰もがこわ……強いですから」
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◆SbXzuGhlwpak
[sage]
2017/02/25(土) 08:13:17.92 ID:WJENpIb/0
「いやー、それがね? レッスンが終わった後になって、替えのブラ忘れてきたことに気づいちゃって。今洗濯して乾燥待ちなとろこなんだアハハハハ……ハハ。プ、プロデューサー?」
「なんでしょうか?」
「もしかして……怒ってる?」
「はい」
「ふぇぇ……即答だよぉ」
怒るにきまっています。
私だったからよかったものの、二人きりの状態でこのようなことをすれば襲われても文句が言えないではありませんか。
「本田さん、あちらに」
「は、はい……」
本田さんをうながし、パーテーションで部屋から区切られているソファに向かい合う形で座ります。
「いいですか本田さん。貴女はアイドル、いえアイドルであることを抜きにしても、魅力的な女性なのです」
例えば緒方さんなどはあれほど可愛らしいのに自覚や自信がなかったりしますが、本田さんは別の意味で自覚といいますか、危機感が足りないように思えます。
自分に魅力があることはわかっているのに、その魅力が何を引き起こすのかをわかっていないのではないでしょうか。
「若い貴女には時代錯誤に思えるかもしれませんが、女性に慎ましさが求められていたのは男尊女卑という一面以外にも、女性の身を守る意味合いもあったと私は考えます」
「身を守る……?」
「男という生き物は残念ながら、女性の美しい姿を見たり触れたりすると、途端にまともな判断ができなくなるのです。自制心が弱い者になると、そのまま犯罪に手を染めることもありえます」
そして若い時分は自制心が弱く、それに反比例するように衝動が強い。
会ったことの無い本田さんのクラスメイトを想像する。
彼らは普段どれだけの苦悩を抱えているのでしょうか。
クラスの密かなアイドルである彼女は毎日笑顔であいさつをしてくれるだけでなく、気軽に話しかけ、肩を叩くなど軽くではありますがボディタッチまでしてくれます。
ただそれだけでその日一日は幸せな気持ちになれていたのに、彼女は芸能界という遠い世界へと飛び去ってしまいました。
普段会える機会が減る代わりに、テレビや雑誌などプロの手によって普段とは違った彼女の魅力が演出されています。
間近で会える機会が減った胸の寂しさは、気がつくと勝手に手が自らのものを慰め、申し訳ないと思うものの手は止まらずかえって勢いが増し、画面で彼女の笑顔が映し出された瞬間に果ててしまう。
快楽の波が引くとあんなにも綺麗な彼女を想像で汚してしまった罪悪感で、知らずと涙が落ちる。
そして翌朝。
気持ちの整理がつかぬまま登校すると、笑顔で挨拶をしてくれる彼女の姿が。
その笑顔を見ながら果てたことを否応なく思い出し、その日以後彼女と目を合わせて話す事ができなくなり、ますます彼女が遠ざかる。
その隙間を埋めるように彼女を録画したメモリは増え、雑誌を買いそろえることに熱をあげる。
そんな堕ちていく日々の中、偶然校庭のすみで彼女と出くわす。
彼女はここ最近様子がおかしい彼のことが気になっていたようで、いい機会だとそのことについて尋ねる。
彼女は自分のことを気にかけてくれていた。
まともに話す機会が減ったというのに。
きっと彼女も俺のことを――
この場には自分たち以外に誰もいない。
近くには用具室があり、南京錠は昼間は開けっ放しだ。
快楽と罪悪感まみれの妄想を実現しようと、彼女の腕をつかみ取り――
「プロデューサー……深刻な顔しながら、私をネタにエッチなこと考えてない?」
「んんっ」
少し想像がいきすぎたようです。
本田さんの半眼に思わず目をそらし、自分でもわざとらしいとわかる咳が出てしまいました。
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