過去ログ - 一ノ瀬志希「フレちゃんは10着しか服を持たない」
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15: ◆Freege5emM[saga]
2017/02/13(月) 02:37:56.68 ID:bfxHdujzo
「宮本フレデリカちゃん――フレちゃんは、日本男児とパリジェンヌの娘で、
 パリで生まれて東京で育った、あたしより一つ年上の女子大生だよ」

あたしは、自分の見えかけた思考の道筋を、はぁとさんに喋りかけながら確かめていく。

「フレちゃんは、できるだけ丁寧に生きようとするから、いつもシックでエレガントなの。
 日々を輝かせる暮らしの達人。そういうパリジェンヌの流儀を、ママから受け継いでる」

フレちゃんたちパリジェンヌの流儀が息づいているからこそ、パリは花の都と呼ばれ得るんだろう。

「日々の退屈さで狂いそうになってたあたしは、フレちゃんが羨ましくて仕方がなくって、
 今年の初めにフレちゃんと出会ってからはフレちゃんの真似ばっかりしてた。その成果は……今のあたし」
「……ステキな友達、なんだねぇ」

でも、あたしがフレちゃんを羨むもっと大きな理由がある。

「そのフレちゃんの流儀が、フレちゃんのママからじっくりしっかり受け継がれたものだってことが、
 あたしはたまらなく羨ましかった。あたしのママはあたしに女の子の作法一つ教えなかったのに。
 だからあたしはフレちゃんの真似をした。フレちゃんがママから教わったことをなぞっている間は、
 あたしもマダム・ミヤモトの娘、フレちゃんの妹――家族になれた気がしたの」

なのにフレちゃんは、あたしがそんなに欲しがっていたものを、
『ママの受け売りだから』と、まさにあたしが欲しがっていたのと同じ理由で、無いもの扱いした。
あたしはそれを聞いてフレちゃんに手を上げてしまった。

「それで、志希ちゃんとフレちゃんはケンカしちゃったのか」
「……あたしだって、かっこ悪い無い物ねだりなんかしたくないよ。でも……ズルい。
 あれだけママからいろんなことを教えてもらって、どうして『何者にもなれない』とか言えるの?」

あたしは、それがどうしても納得できなかった。だから、怒っちゃった。
が、はぁとさんはそうじゃなかったらしい。

「はぁとは、どっちかといえばフレちゃんの気持ちのほうが分かるけどなー」
「えっ」


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