過去ログ - バレンタインと142's【モバマス】
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2: ◆S6NKsUHavA[saga]
2017/02/15(水) 00:50:07.82 ID:1QgkRSw80
「ふ……フヒ……フヒヒヒッ!! ヒィィィィヤッハァァァァッッッッ!!」
「ふぎゃーーーー!!」


 ──とあるデパートの催事会場


「しょ、輝子さんっ! こんなところでいきなりメタルモード全開にならないでくださいっ!!」
「……あ、ご、ごめん……会場に溢れるリア充ムードにあてられて、つい……」

 周囲の視線を一身に浴びて滝のような冷や汗を流す幸子に、輝子は頭を掻きながら謝罪した。急な奇声に何事かと一斉に振り返った集団は、まさかその発生源が視線の先の小柄な女の子だとは想像も付かなかったのか、しばらく付近に視線を彷徨わせて自分たちの世界へと戻っていく。
 その様子を見てホッと一息つくと、幸子は情けない表情のまま輝子に言った。

「まったく、気をつけてくださいね! ここに来たいと言い出したのは輝子さんなんですから。騒ぐと追い出されちゃいますよ!」
「ご、ごめんね……」

 幸子のお説教にしょげかえる輝子。隣で見ていた小梅は微笑みながら「まぁまぁ……」と幸子をなだめると、改めて会場内を見渡した。

「それにしても、すごいね……たっくさんお店がある……」
「ふふーん! そうでしょうそうでしょう! ここはボクが良くパパとママに連れてきてもらう百貨店なんですけど、この時期になると全国、いえ、全世界の有名ショコラティエが集う、チョコレートの祭典が出来上がるんです!」

 そう言って幸子が両腕を広げた先には、多数の出張店舗が所狭しと並んでいる。百貨店の一階層ほぼ全てを埋め尽くすその規模は、確かに日本でも随一だ。
 会場は既に沢山の客で賑わっており、広めにとられた通路も人がいっぱいで、ともすれば足の踏み場も無い。至る所からチョコレートの甘い香りが漂い、人の熱気も相まってむせ返るような空間が出来上がっていた。

「見て回るだけで、日が暮れそうだな……」
「だから言ったでしょう? オフの日を合わせて正解でした。早くしないと、今日中に買い物が終わりませんからねぇ」
「そう、だね。さっそく、見に行こうよ」

 三人は迷子にならないように固まると、誘導の店員からもらったカタログを手にフロアを回り始めた。



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