過去ログ - 【DQ7】マリベル「おやすみなさい ミントちゃん。」【後日談】
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24: ◆N7KRije7Xs[sage saga]
2017/02/18(土) 17:47:51.96 ID:bzhgeXks0



アルス「…………………。」



シャーク「…………………。」



少女が双胴船の甲板へとたどり着いた頃、少年とその実父は二人、城下町を目指して街道を歩いてた。

アルス「…………………。」

本来であれば転移呪文で一瞬にしてたどり着けるものを、少年はわざわざ徒歩で行くことを選んだ。
それでも親子で歩く妙な気恥ずかしさから、少年も、そして隣を歩く父親もどことなく無口になってしまっていたのだった。



シャーク「……アルス カラダの調子は もう いいのか?」



しばらくそうやって無言で歩いたところを、なんとかして静寂を破らんと総領が息子に訊ねる。

アルス「え あっ はい。」
アルス「アニエスさんの おかげで なんとか……。」

そう言ってどこかぎこちない笑みを浮かべながら少年は軽く腕を動かした。

シャーク「そうか……。」

アルス「あの……。」

シャーク「む?」

アルス「アニエスさんは… お母さんは 元気にしていますか?」

少年の実母は息子の危機について事前に水の精霊からお告げを受け、海中から少年を救い出し海底王の家にて付きっ切りで看病してくれたのだった。

シャーク「ああ。急にいなくなるもんだから 心配したが 帰ってきた時には ずいぶん ほっとした顔をしていたよ。」

突然妻が失踪してから二週間以上の間、夫たち海賊はずっと彼女を探しながらその帰りを待っていたのだ。

アルス「そうですか… ごめんなさい ぼくが 油断したばっかりに……。」

自分の落ち度で多くの人々に迷惑をかけたという罪悪感から、少年は肩を落として視線を下げる。

シャーク「お前が 気に病むことはないさ。」
シャーク「なにせ 世界は 再び お前のおかげで 救われたんだからな。」

アルス「……はい。」

父親からの労いにもその返事はどこか自分を無理やり納得させるようなそれで、少年の視線は尚も細長く伸びた茶色に向いたままだった。



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