過去ログ - 【DQ7】マリベル「おやすみなさい ミントちゃん。」【後日談】
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25: ◆N7KRije7Xs[saga]
2017/02/18(土) 17:51:57.23 ID:bzhgeXks0

シャーク「…それより どうだ? あれから 何か あったか?」

そんな息子を気遣って父親は話題を当たり障りのないものに変えようと試みる。

アルス「え えっと 何かって……。」

シャーク「そうだな… 漁は どうしてる。」

アルス「漁は… 見ての通り アミット号が 廃船になってしまったので 小さい船で ほそぼそと やってる感じです。」

シャーク「うまく いってるのか?」

アルス「アミット号とは 勝手が違くて まだ うまくはいってませんけど……。」
アルス「毎日 充実してます。」

シャーク「…そうか それは 何よりだ。」
シャーク「漁は 毎日 しているのか?」

アルス「いえ 毎日という わけじゃ……。」

シャーク「漁のない日は 何を してるんだ?」

どうも父親としてこの少年の私生活が気になったらしい。
海賊の総領は滅多な機会はないとでも言いたげに少年を見やった。

アルス「えっと… まあ その……。」

シャーク「……?」

アルス「…休みの日は 彼女と 出かけたりしてます。」

そう言う少年は自分の顔が熱を帯びていくのを感じていた。

シャーク「…マリベルどのとか。」
シャーク「さっきは ほとんど 話せなかったが 彼女とは うまくいってるのか?」

アルス「ええ まあ。」

少年はくすぐったそうに頬を掻く。

シャーク「はっはっは! 彼女は 本当に いい人だ。きっと お前のことを 支えてくれる。」
シャーク「オレから 言うのも なんだが… 大事にするんだぞ。」

アルス「……はい わかってます。」

返事こそ控えめではあったが、それでも少年は父親の言葉に力強く頷いてみせた。



シャーク「むっ 町が見えてきたな。あれが グランエスタードの城下町か?」



そう言って総領は丘の上に見える建物群を指さす。

アルス「はい。」

シャーク「ここの王と会うのは はじめてなのだが バーンズ王というのは どんな 人物なんだ?」

アルス「威厳のある 王様です。でも 人々と距離が 近くて たまに あいきょうが あって 人気のある人ですね。」
アルス「お后さまを 亡くされてから ずっと 一人で 国を治めてて よく 名君と 呼ばれてます。」

シャーク「そうか それは 会うのが 楽しみだな。」

アルス「きっと 歓迎してくれますよ。」



いつの間にか少年も、その父親からも自然と笑みが零れていた。

まるで隔たれていた数百年の時を少しずつ埋めていくように、他愛のない会話をしながら二人はまだ上の方に見える城下町を目指して歩き続けるのであった。





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