過去ログ - 六畳世界から考察するチョコレートと恋愛ごとにおける関係
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24: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2017/02/17(金) 22:37:37.26 ID:FaAku7hO0
今日は金曜日であります。当然ながら明日からは土曜日が始まろうとしております。読者諸兄の皆様は充実した休日をお過ごしになるための算段などはございますでしょうか。ちなみに私は、私のごとき小さき身ではまだまだ充実した休日を送るための身構えができておりません故、まずはこの身を鍛えるべくこの二日を過ごそうと考えております。もちろん、内なる怠け者に身を委ね、小和田くんの如くただただ万年床でごろごろと転がるのもよいでしょう。それもまた一つの選択であります。しかしどうかお気をつけを。内なる怠け者はそのまま貴方自身をも飲み込み、世界と貴方とを永久に切り離すおそれもあるのです。どうか皆様、内に潜めた怠け者は眠れる獅子でもあるということをお忘れなく。

たまには流れに逆らわず気楽にただただぷかぷかと流されてみる楽しみを味わうために怠け者になるのもいいのではないでしょうか ではまた、よい休日を


25:名無しNIPPER[sage]
2017/02/18(土) 15:17:32.24 ID:Y/WC3wkDO
乙でございます


26:名無しNIPPER[sage]
2017/02/18(土) 16:41:21.78 ID:kmhwNbaA0
良い


27: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2017/02/18(土) 22:53:29.37 ID:S+L6H0V70
「それでは先輩。また明日」

「うむ。また明日」

時は過ぎ、私と明石さんは暖房の効いた暖かな喫茶店の中で一杯のコーヒーを味わいつつ明日の予定を詰めに詰めた後、彼女の住むアパートまで明石さんを送りその玄関で別れた。
以下略



28: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2017/02/18(土) 22:57:09.77 ID:S+L6H0V70
白川通を北へ進路を取った私は一人で黙々と歩いていると、急に何だか冬の風が冷たくなった気がして身震いを起こした。
過去の私はたとえ孤独でも強くあろうと凝り固まった意地を胸に、雨にもマケズ風にもマケズ、雪や夏の暑さはできるだけ避けて丈夫ではないにしても病気をしない身体を保ち、玄米ではなく猫ラーメンなどを食してこの辛く長い独り身の暮らしという戦いを耐え抜いてきた有様であったが、今は違う。明石さんがいるだけで私の世界は大きく変化し、そして私の心は弱くなってしまった。
おそらく過去の私が今の私の姿を見れば「なんと女々しき姿か。お前はそれでも誰よりも気高く強くあらんとした男か」などと私を罵ることであろう。そんな言葉などくそ食らえである。今の私にはこれまでになかった充足感がある。これを知ってしまった今、つまらぬ過去になど何を言われたところで戻れるわけがないのだ。むしろ過去の私を今すぐに抱きしめて「強がるんじゃない。君はもう十分なまでに戦ったではないか。今こそ和平のときなのだ」と誠の愛を持って囁いてやりたかった。男が男にそのような囁きをするのは気色悪いことこの上ないので実際にはしないが。


29: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2017/02/18(土) 23:03:04.23 ID:S+L6H0V70
元より少ない体力を奪わんとする恐ろしき風の暴力の中でも冷静さを保ち続けた私は、冷たき風も今すぐに我が城へと帰れば無力化されることだろうと結論を出した。我が六畳の城は偉大なる長方形であり、何物にも侵攻を許さぬ絶対の鉄壁を誇る。
昔、私は四畳半こそが人類に与えられた楽園の地であり支配可能な限界領域であるというようなことを述べたが訂正しよう。美しき四畳半に一畳半を増やした六畳こそが、人類を新たなるステージへと導き、革新者を生み出すのである、と。さぁ急がねばなるまい。私のことを六畳王国が待ち望んでいる。


30: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2017/02/18(土) 23:16:45.97 ID:S+L6H0V70
様々な思いに駆られて決意を改めると、私はそっと羽織った厚手のコートの襟元へと手を伸ばしその暖かな鎧の感触を確かめるようにすると敵へと立ち向かう覚悟を決めて足を止めることなく邁進し続けた。明日は明石さんとの楽しい予定もできたのだ。早めに眠って心身共に備えねば。
と、そのときだった。

「おや、何してまんのん」

以下略



31: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2017/02/18(土) 23:25:33.39 ID:S+L6H0V70
あと小一時間ほどもすると土曜日の幕は下り、日曜日がやって参ります。休日もあと一日ともなると、読者諸兄にも何だか慌しく、何かしらの事物に迫られているような錯覚をなさる方もいらっしゃることでしょう。しかしここで急いてはなりません。我々にはあと二十四時間もの時間が与えられているのです。この二十四時間は誰にでも平等であり、私たちを嘲笑うどころか暖かく見守ってくれているのです。どうか皆様、予定を立てるときは慎重に、いくつもの精査をなされることをオススメいたします。世の中はいつだって、まったくの想定外のことで形成されているのですから。それを利用してやるくらいの心持でどっしりと構えましょう。

一日三レスくらい計画が今のところは順調でホッとしています この調子がどこまで続くかよければ見守ってやってください ではまた


32: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2017/02/19(日) 22:42:49.68 ID:AJ/Hz63U0
「ふぅむ。諸君、そろそろ鍋も煮えてきた頃合だろう。さっそく食すとしようか」

「えへへ、では師匠からどうぞ」

「ちゃんと食べれる物入れたんでしょうね、小津くん」
以下略



33: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2017/02/19(日) 22:48:11.52 ID:AJ/Hz63U0
今出川通で小津にばったり出くわしてしまった私は、悪友たるこの悪魔めいた男に「これから夕食を師匠と羽貫さんと一緒に取るんです。あなたも来ませんか? ご馳走しますよ」などという誘いを受け、なんやかやと問答をしているうちに、何がどうしてこうなったか知らぬが我が懐かしき古巣へとこうして赴くことになってしまった。

私の正面には小津の師匠である樋口氏、右隣には暗黒の中でもむしろ水を得た魚のごとき調子で気味の悪い鼻歌を歌いながら鍋を楽しそうにかき混ぜているらしい音を立てる小津、左隣には樋口氏の長年の知り合いでこの場の唯一の女性である羽貫さんがいる。
今日は小津の修行とやらの一環として闇鍋を催すことになったそうだが、わざわざそれに付き合う辺り、羽貫さんもかなりの変わり者であるように思う。私も人のことなど言えないが。

以下略



34: ◆jZl6E5/9IU[saga]
2017/02/19(日) 22:49:16.74 ID:AJ/Hz63U0
「うわ、これ何? 何かうにょっとしてる、キモチワルイ!」

「これは何でしょうかねぇ。幻の巨大ミミズですか」

「うっ……小津! お前だなこのあんころ餅!」
以下略



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