過去ログ - 森久保「私に似ているプロデューサーさん」
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31: ◆8AGm.nRxno[saga]
2017/02/24(金) 13:39:32.06 ID:UKsbEgqz0
針のむしろのような時間だった。

当然だが、森久保は社長が去るまで俺の机の下で黙っていた。

ひと月ほど前から、社長からの圧力が一層強くなってきた。
以下略



32: ◆8AGm.nRxno[saga]
2017/02/24(金) 13:50:39.02 ID:UKsbEgqz0
「……はぁ」

俺は森久保に聞こえるようにため息を吐いた。

ここから先の一語一句、一挙手一投足にミスは許されない。
以下略



33: ◆8AGm.nRxno[saga]
2017/02/24(金) 13:53:56.48 ID:UKsbEgqz0
そこからは早かった。

以前プロデュースした彼女と同じように、目を合わせず、業務連絡以外では口を利かずに、淡々とアイドルとしての仕事をこなしていく。

仕事自体は軌道に乗り、森久保はネガティブアイドルとして順調に知名度を上げていった。
以下略



34: ◆8AGm.nRxno[saga]
2017/02/24(金) 14:07:34.32 ID:UKsbEgqz0
俺は控室で衣装合わせしている森久保を扉の外で待っていた。

LIVE会場に関係者として訪れるのはこれが二度目だ。

今回はあの時とは違い、比較的小さな会場の小さなLIVEだ。出演者も他にいて、森久保の負担を最大限小さくするように色々手を尽くした講演内容にしたつもりだ。
以下略



35: ◆8AGm.nRxno[saga]
2017/02/24(金) 14:10:45.44 ID:UKsbEgqz0
「なっ」

突然の出来事に面食らうと同時に、一瞬、森久保を引き離すかどうか迷った。
森久保は震えており、今も全身を介してその震えを感じることができた。
ここで引き離してしまえば森久保に致命的な傷を負わせてしまう予感があった。
以下略



36: ◆8AGm.nRxno[saga]
2017/02/24(金) 14:14:49.25 ID:UKsbEgqz0
LIVEが大成功を収めた翌日、俺は普通に出勤して仕事をしていた。

だがとても仕事には集中できなかった。

机の下には、森久保がいた。
以下略



37: ◆8AGm.nRxno[saga]
2017/02/24(金) 14:18:23.51 ID:UKsbEgqz0
日曜日のLIVEを終えての月曜日。
レッスンも無い今日は本来なら学校で授業を受けているはずだったが、森久保はここにいた。

つまりサボりだ。

以下略



38: ◆8AGm.nRxno[saga]
2017/02/24(金) 14:21:48.08 ID:UKsbEgqz0
最近ご無沙汰だった社長室。

森久保に机の下の留守番を頼んでから入室したそこに、俺は罪を裁く法廷のような感想を持った。

「まずは昨日のLIVE、ご苦労だった。カリキュラムにそぐわない彼女をよくここまで引っ張り上げてくれた。おかげで彼女の名に拍をつけることができた」
以下略



39: ◆8AGm.nRxno[saga]
2017/02/24(金) 14:27:05.98 ID:UKsbEgqz0
昨日森久保を家に送り届けてから、考えていたことがある。

どういうルートを辿れば、俺と森久保がこの事務所に残ることができたか。

俺が最初に森久保のプロデューサーになっていれば、すべてが上手くいって、森久保はこの事務所での活動を続けられただろうか。
以下略



40: ◆8AGm.nRxno[saga]
2017/02/24(金) 14:56:01.41 ID:UKsbEgqz0
森久保の登場に社長は一瞬面食らっていたが、すぐに冷静さを取り戻した。

「Pくん。説明してあげてくれ」

……担当アイドルへの業務連絡はプロデューサーの仕事だ。
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41: ◆8AGm.nRxno[saga]
2017/02/24(金) 15:06:16.55 ID:UKsbEgqz0
どうすれば俺は森久保の同類のままでいられるか。

このまま森久保を事務所から追い出しても、俺はこの会社の雑用のままだ。
アイドルの階段を上る森久保の同類にはなれない。

以下略



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