過去ログ - 小関麗奈「今日はレイナサマの勝ちね」南条光「ま、まだだ!」
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47: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:12:13.11 ID:4fMEElnd0

 麗奈から仕掛けた、言ってしまえば悪ふざけの産物でしかないこれに
 ――南条光は全力でつきあっている。

(コイツも案外、アタシと――)
以下略



48: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:14:24.31 ID:4fMEElnd0

「だ、大丈夫か? レイナ」

「平気よッ! 聞きなさい、アンタたち。これを諦めることなんてできない」

以下略



49: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:14:50.04 ID:4fMEElnd0

 既にビルの並ぶ大通りに出ている。
 ブルは速度を緩める様子もなく、追いかけてくる。
 五人は必死の思いで疾走する。
 行き交う人々はそんな五人に怪訝な目を向け、一匹を見て目を丸くした。
以下略



50: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:15:25.41 ID:4fMEElnd0

 入り組んだ道を駆ける五人を、左右のビル璧が圧迫的に見下ろしている。
 ブルも「ぶぅじゅるううう」と鼻を鳴らして一行を追い駆ける。
 徐々に距離が離れてきた。

以下略



51: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:15:51.90 ID:4fMEElnd0

 聞き返した麗奈へ、代わりにポッチャリが返事をする。

「この路地、昔からヤバいんス。ヌシがいるんッスよ。勝手に入って騒いだら、どうなるか……!?」

以下略



52: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:16:23.78 ID:4fMEElnd0

 さすがに、光も麗奈も疲労の色が濃い。
 男児三人は限界が近そうに苦悶の表情を浮かべている。

 五人が十字路を走り抜けた時である。
以下略



53: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:16:51.09 ID:4fMEElnd0

 空を左右から挟んで圧迫する二つのビル壁。
 その壁面に、それらは居た。
 壁から飛び出る配管や庇、小さいベランダ、通路に積み上げられた箱、それらの上からこちらをジッと見つめる無数の目。
 おびただしい数の猫。
以下略



54: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:18:37.95 ID:4fMEElnd0

 彼らの目にはあからさまに敵意の色が宿り、ヌシであろう三毛猫以外、ほぼ全ての猫の毛が逆立っている。

「この前、アタシたちがここで騒いだから……」

以下略



55: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:19:10.97 ID:4fMEElnd0

「これは、まさに……前門の猫ッ、後門の犬ッ」

「グレード下がってるわよっ。――でも、割にマズいわね」

以下略



56: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:19:42.42 ID:4fMEElnd0

 十字路を三人組は勢いに任せて左に曲がる。
 同時に麗奈が「あっ、バカッ! そっちじゃ――」と、言いかける。

 全てを言い終える前に、麗奈は勢いのまま右に曲がった。
以下略



57: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:20:13.74 ID:4fMEElnd0

 麗奈は苦々しい面持ちでこちらを見つめていた。
 光には、その表情がひどく痛ましく、寂しげに見えた。

 一方で、麗奈が捉えた光の瞳は先ほどと変わらぬ美しい翡翠であった。
以下略



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