過去ログ - 小関麗奈「今日はレイナサマの勝ちね」南条光「ま、まだだ!」
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75: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:33:28.12 ID:4fMEElnd0

 光が階段の踊り場に倒れると、すぐさま窓は閉められた。
 座ったまま大きく肩で息をする光の隣に、同じく大きく肩で息をする麗奈が立っていた。
 その表情はまだ固い。

以下略



76: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:34:22.62 ID:4fMEElnd0

「なぁんだ、アンタはへこたれてると思ってたけど」

 光も「へへ……」とほほ笑みながら、サムズアップで返す。

以下略



77: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:34:59.66 ID:4fMEElnd0

 光は溌溂とした笑顔を麗奈に向けた。
 すかさず、麗奈は目を逸らす。
 が、若干その口元は緩んでいた。

以下略



78: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:35:37.73 ID:4fMEElnd0

 やはり号砲は必要なかった。

 全く同時に、二人の足が勢いよく階段を降り始める。

以下略



79: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:36:13.24 ID:4fMEElnd0

 疾走する二人をそれぞれの表情で見送る人々の中に、先ほどの男児三人組もいた。

「がんばれー! 二人とも、がんばれー!」

以下略



80: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:36:50.41 ID:4fMEElnd0

「ハァ……ハァ……たいしたもんね、あんだけ大変な目にあったのに、ついてくるなんて」

「それは……ハァ……レイナだって……ハァ、同じだろ!」

以下略



81: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:37:16.91 ID:4fMEElnd0

「そういうレイナだって、運動はアタシより苦手だろ!?」

「アンタが体力バカなのよ!」

以下略



82: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:37:54.38 ID:4fMEElnd0

「ライバルってわけだな! それなら、アタシだって!」

 光はその瞳をいっそう燃え滾らせて、さらに加速する。

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83: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:38:23.37 ID:4fMEElnd0

「ハハッ、アンタってホントに――」

 言いかけて、その後を飲みこむ。
 そして、宣言する。
以下略



84: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:38:58.44 ID:4fMEElnd0

 レッスン場が見えてきた。

 二人は残った力の全てを振り絞って走る。

以下略



85: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:39:31.80 ID:4fMEElnd0

 ***

 プロデューサーはいつものレッスン場、その受付ロビーで、自分の手帳を片手にコーヒーをすすりながら、担当アイドル二人が到着するのを待っていた。

以下略



86: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:40:13.17 ID:4fMEElnd0

「相変わらず忙しいか、プロデューサー」

 トレーナーの青木が、手帳とにらめっこしているプロデューサーに声をかける。

以下略



87: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:40:50.69 ID:4fMEElnd0

「あぁ、いや、すまない。責めているわけじゃないんだ。考えてみれば、キミも大変だな。まだ、『見習い』だというのに、あの二人の担当とは」

「はは、そうかもしれません。言ってしまえば、『じゃじゃ馬』ですから。あの二人は」

以下略



88: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:41:19.77 ID:4fMEElnd0

「麗奈は言わずもがな、なのですが……」

 プロデューサーの二の句を青木が継ぐ。

以下略



89: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:41:51.41 ID:4fMEElnd0

「ですけど、きっと相容れない間柄ではないと思います。むしろ、二人はお互いにとって『最高に価値ある相棒』になれるのではないか? と私は考えています」

 青木は何も言わずに、ただ得心したような笑みでうなずいている。

以下略



90: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:42:24.40 ID:4fMEElnd0

「えっ、ちょ、どうしました!?」

 驚いて駆け寄るプロデューサーと目のあった二人は、普段はいない人物がいることなど全く気にしない様子で、ほとんど同時に「どっち!?」と声を張り上げる。

以下略



91: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:42:53.92 ID:4fMEElnd0

 光も同じように
「プロデューサーさん――ぜェ、ぜェ――どうだった? わかる!?」
 と額に汗をたらしながら、ムキになってつめ寄る。

以下略



92: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:43:25.07 ID:4fMEElnd0

 随分と息を切らせている彼女らを見て、彼は尋ねる。

「えっと、競争でもしてたのですか? そんなに息を切らして。というか、この後のレッスン、大丈夫です?」

以下略



93: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:43:54.56 ID:4fMEElnd0

本SSは、2月上旬に行われたとあるイベントで無料配布した掌編を微修正したものとなります。




94: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:44:21.45 ID:4fMEElnd0

お読みいただいた方々、ありがとうございました!



95:名無しNIPPER[sage]
2017/03/04(土) 18:30:23.76 ID:YzTPIt64o

面白かった
誰も読んでないのか?


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