過去ログ - 小関麗奈「今日はレイナサマの勝ちね」南条光「ま、まだだ!」
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70: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:29:25.88 ID:4fMEElnd0

「だ、大丈夫だ!」
 かろうじて応える光。

 しかし、それは強がりであった。
以下略



71: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:29:51.46 ID:4fMEElnd0

 三人が駆けて行く音が聞こえる。
 こんな状況だというのに、光はほんの少し安心した。
 しかし、それも右腕の痛みがかき消してしまう。
 彼女の瞳の輝きが暗く沈む。
以下略



72: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:30:18.37 ID:4fMEElnd0

 いっそこの手を離してしまおうか。
 犬や猫は案外、どうにでもなるかもしれない。
 ほら、ブルドックって本当は大人しい性格って言うし
 ……そんな現実逃避が頭を巡る。
以下略



73: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:31:05.06 ID:4fMEElnd0

 それが合図であった。
 臨戦態勢の猫たちが一斉に光に跳びかかろうとする。

 その瞬間が、光にはひどくゆっくりと感じられた。
以下略



74: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:32:53.18 ID:4fMEElnd0

 沈んでいた輝きが光の瞳の中から再び浮かび上がる。

「いや――ダメだ。諦めるなんてダメだ! アタシは今、負けられない勝負の最中なんだッ! 絶対に譲れないッ、レイナとの、闘いのッ!」

以下略



75: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:33:28.12 ID:4fMEElnd0

 光が階段の踊り場に倒れると、すぐさま窓は閉められた。
 座ったまま大きく肩で息をする光の隣に、同じく大きく肩で息をする麗奈が立っていた。
 その表情はまだ固い。

以下略



76: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:34:22.62 ID:4fMEElnd0

「なぁんだ、アンタはへこたれてると思ってたけど」

 光も「へへ……」とほほ笑みながら、サムズアップで返す。

以下略



77: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:34:59.66 ID:4fMEElnd0

 光は溌溂とした笑顔を麗奈に向けた。
 すかさず、麗奈は目を逸らす。
 が、若干その口元は緩んでいた。

以下略



78: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:35:37.73 ID:4fMEElnd0

 やはり号砲は必要なかった。

 全く同時に、二人の足が勢いよく階段を降り始める。

以下略



79: ◆97Mk9WqE8w[sage saga]
2017/02/26(日) 21:36:13.24 ID:4fMEElnd0

 疾走する二人をそれぞれの表情で見送る人々の中に、先ほどの男児三人組もいた。

「がんばれー! 二人とも、がんばれー!」

以下略



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