過去ログ - 双葉杏「特別だけど、特別じゃない日」
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23: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:39:33.94 ID:ca4PDaJt0

 するとアイツは「あぁー!」と合点がいったみたいに声を上げ「どうりで良い匂いがするわけだ」なんて言いやがる。

 その何気なくかけられた一言に、私は自分の顔が赤くなるのを感じてた。
 そうして自分だって電話に出なかったじゃないかって私が言いだすきっかけを、はぐらかされた事にも気がついて。

「んじゃ、行くぞ。下に車も停めてあるから」

 けどさ、差し出された手を握り返したら、そんなことどーだって良くなるんだからズルいよね。

 朝からずっと続いてたなんともパッとしない時間さえ、
 これからのたった数時間で帳消しに出来そうな気がし始めちゃうから不思議なものだ。

「それで……今日もやっぱり忙しかったの?」

「今日か? 今日は特に大変だったぞー。何せ台風の影響でイベントが――」

 雨の中走り出す車と一緒に、私の時間も動き出す。聞きたいことは山ほどあるし、話したいことだって沢山あった。
 彼が元から聞いていた、車のラジオが気象情報を読み上げる。

『台風はその勢力を急速に弱めながら北上。なお、明日の天気は晴れの見込みです。それでは続いて今日のニュースを――』


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