過去ログ - 双葉杏「特別だけど、特別じゃない日」
1- 20
11: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:13:39.77 ID:ca4PDaJt0
===

 ゾンビの闊歩する洋館の探索は順調で、気づけば二時間近くが経過していた。現在時刻は、午後三時。
 依然としてあの阿呆からの連絡は無く、私はこのままゾンビと戯れて今日が終わることを想像して身震いする。

以下略



12: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:15:04.62 ID:ca4PDaJt0

「わかっちゃいるけどやめられない〜♪」

 鼻歌を歌いながらソフトを探すこと数分。私は途方に暮れていた。
 理由は簡単、必死に捜索したにも関わらず、ゲームソフトが見つからない。
以下略



13: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:16:11.40 ID:ca4PDaJt0

『おっ、懐かしいゲームやってんな』

『なに、興味あるの?』

以下略



14: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:18:27.47 ID:ca4PDaJt0
===

 夢を見ている時に「あっ、これ夢だ」と気がつくきっかけ。今回のソレは、自分が空を飛んでいると分かった瞬間だった。

 灰色の曇り空の下、強い風に弄ばれるようにしてなんとか飛んでいた私は、
以下略



15: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:21:50.08 ID:ca4PDaJt0

 そうしてそのまま体を起こすと、あの鳥の奴の様子を確かめるためにベランダの扉の前まで移動する。

 チラリと覗くと、奴はまだ室外機の影に居た。
 最初に気づいたのがお昼だったから、かれこれ三時間以上は雨風に晒されていたことになる。
以下略



16: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:22:50.28 ID:ca4PDaJt0

 バサバサと、羽ばたく音が聞こえたのは一瞬だった。

 次にはあの丸っこいくちばしが目の前にあり、私は反射的に両腕で顔を守った。
 腕に何かが勢いよくぶつかり、私はベランダに尻もちをつく。お陰でシャツだけじゃなく下着までぐっしょり。
以下略



17: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:24:11.69 ID:ca4PDaJt0
===

 恩を貸している相手と言えば、アイツからの連絡は未だ無い。ついでに私は運も無い。水も滴るいい女、違うな。
 見事なまでの濡れネズミになった私は、床に真新しい染みを作りながら脱衣所へと一直線。

以下略



18: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:29:42.40 ID:ca4PDaJt0
===

 お風呂から出た私はサッパリしていた。

 苛立っていた気分の方も、幾分か晴れやかになった気がしないでもない。流石はお風呂、命の洗濯。
以下略



19: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:33:08.16 ID:ca4PDaJt0
===

 夜、外は相変わらず雨が降ってたが、風の勢いは少し弱くなったらしい。
 お天気お姉さんが言ってたんだから、多分間違いはないんだろう。

以下略



20: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:35:19.46 ID:ca4PDaJt0

「さて、と」

 私は着ていたシャツを脱ぐと、朝から放置されていたお洒落なチュニックを手に取った。

以下略



21: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:36:50.55 ID:ca4PDaJt0

「……なんてね」

 誰に聞かせるでもない呟きだ。私は小さくかぶりを振ると玄関へ。
 靴を履き、カッパを着込み、マンションの扉に手を掛けた。……しかし、ドアノブがなぜか回らない。
以下略



22: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:38:41.58 ID:ca4PDaJt0
===

「ふぅん、随分とめかしこんでるな」

 それが玄関で私の恰好を見たアイツの最初の一言だった。
以下略



23: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:39:33.94 ID:ca4PDaJt0

 するとアイツは「あぁー!」と合点がいったみたいに声を上げ「どうりで良い匂いがするわけだ」なんて言いやがる。

 その何気なくかけられた一言に、私は自分の顔が赤くなるのを感じてた。
 そうして自分だって電話に出なかったじゃないかって私が言いだすきっかけを、はぐらかされた事にも気がついて。
以下略



24: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/03/03(金) 00:40:15.97 ID:ca4PDaJt0
===

 杏ってネタ曲のせいで忘れがちだけど、キュートでも屈指のキュートガール。
 スローライフ・ファンタジーを聴いてなんかのんべんだらりとした話が書きたくなり、出来たのが今回の話です。

以下略



25: ◆Xz5sQ/W/66[sage]
2017/03/03(金) 00:44:56.68 ID:ca4PDaJt0
>>5 訂正
×嵐のように去ってゆくアイツの背中を見送りながら、
○嵐のように押しかけて、風のように去って行くアイツの背中を見送りながら、


26:名無しNIPPER[sage]
2017/03/03(金) 00:47:17.31 ID:tmL0g6MX0



27:名無しNIPPER[sage]
2017/03/03(金) 08:09:12.99 ID:PZFRS0HNo
乙ゥ^〜


28:名無しNIPPER[sage]
2017/03/03(金) 09:06:27.70 ID:Ud7D5OcAO



29:名無しNIPPER[sage]
2017/03/03(金) 10:09:11.12 ID:zNW5HFJao
レベルたっか
乙!


30:名無しNIPPER[sage]
2017/03/03(金) 10:22:02.14 ID:PyO5NAD9O
乙乙

あああキュート過ぎる…
杏さんちょっと惚れ込み過ぎてない?


31:名無しNIPPER[sage]
2017/03/04(土) 00:56:15.11 ID:wrj+I6tr0

いいセンスだ


31Res/21.01 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice