過去ログ - 【モバマス】美嘉「もう一つの物語」
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56: ◆4L0B/P2YzYpZ[saga]
2017/03/06(月) 20:55:07.82 ID:G39hXaPY0
『周りを良く見ることよ。
一人で、抱え込むほどあなたは孤独ではないでしょう』
『決してあなたは一人でここまで来たわけじゃないでしょうし、
あなたを形作ってくれたものは、とても大きいと思うの』
57: ◆4L0B/P2YzYpZ[saga]
2017/03/06(月) 21:01:09.29 ID:G39hXaPY0
「ありがとう、みりあちゃん。でも大丈夫」
そう、もうきっと、アタシ、大丈夫。
「アタシね、ちゃんと辛いって言える相手いるから★」
58: ◆4L0B/P2YzYpZ[saga]
2017/03/06(月) 21:05:03.31 ID:G39hXaPY0
すっかり遅くなってしまい、
みりあちゃんを自宅近くの駅まで送って、一息つくと
アタシはスマホの画面を開いた。
よし…!
59: ◆4L0B/P2YzYpZ[saga]
2017/03/06(月) 21:14:20.23 ID:G39hXaPY0
千川さんが去った後、社内の公開スケジュールを確認すると、
俺は携帯電話を取り出し、勝手知ったる相手へコールする。
『…はい』
60: ◆4L0B/P2YzYpZ[saga]
2017/03/06(月) 21:17:48.00 ID:G39hXaPY0
『な、なに…?』
「明後日、莉嘉ちゃんが出る番組、とときら学園の収録がある。
そこに見学に行ってくれ」
『え?莉嘉?なんなの急に』
「さっきたまたま莉嘉ちゃんと会って話してさ。あの子、すごいな。本当に感心した。
61: ◆4L0B/P2YzYpZ[saga]
2017/03/06(月) 21:20:32.76 ID:G39hXaPY0
俺は一拍置いた。
「最初に…ごめん!最近の美嘉への態度、本当にごめん!」
「勝手にいらいらして、会社のせいにして、担当のお前に当たって、
62: ◆4L0B/P2YzYpZ[saga]
2017/03/06(月) 21:23:14.81 ID:G39hXaPY0
恐らく、美嘉は電話口で泣いていた。
強気で、まっすぐで、真面目で、でも本当は誰よりもさびしがり屋で…
17歳の背中ではとても支えきれないはずの多くを背負って、
精一杯の努力と覚悟でここまで走り続けてきた城ヶ崎美嘉。
63: ◆4L0B/P2YzYpZ[saga]
2017/03/06(月) 21:28:01.45 ID:G39hXaPY0
ありがとう、美嘉。
その思いは自然と言葉になる。
「ありがとう、美嘉。不思議だわ、同じ思いだ」
64: ◆4L0B/P2YzYpZ[saga]
2017/03/06(月) 21:31:37.22 ID:G39hXaPY0
『アタシ、自分が何とかしなきゃって、勝手に思い込んで…
でもそれが本当は正しくないんだって、ずっと思ってて』
『辛いのに、嫌なのに、自分で抱え込んでて、
だから全然、アタシ自身に向き合えてなくて』
65: ◆4L0B/P2YzYpZ[saga]
2017/03/06(月) 21:37:26.35 ID:G39hXaPY0
『あっ!でもさー、アタシ直接聞きたいって言ったんだけどな〜?
なんでまた電話越しなのかな〜?』
こいつ…
66: ◆4L0B/P2YzYpZ[saga]
2017/03/06(月) 22:00:59.16 ID:G39hXaPY0
美嘉との電話が終わって、背もたれに寄りかかり大きく息を吐いた。
よし。
そんな俺の覚悟を待ったかのように、
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