6:名無しNIPPER[saga]
2017/03/07(火) 23:17:19.04 ID:2xfEaWy9O
誰よりも倒れ伏したいと思っているであろう早苗が立ち上がり、二人に声をかける。体力があるからではもちろんない。身体は二人以上に悲鳴を上げている。これは矜持だ。年長者としての矜持が二人を引っ張ろうと体に鞭を打ち、リーダーとしての責務を果たす。
とはいえ、普段のラジオやら打ち上げやらで迷惑をかけているため、こういうところでは面目躍如の働きをしておかないとという打算もある。
シャワーを浴びる中で少し体力を回復させていく。汗と一緒に疲れも軽く落ちているような気分だ。肩を軽く回すと血行が悪かったのか幾分か凝りが解れた感覚がある。
怒涛の日々だった。今日に至るまで大きく人生の舵がきられた。後悔はない。そうと決めたのは他でもない、早苗自身なのだから。ただ、未来への不安がないかというと、それは当然のごとく心に渦巻いていた。いつまであたしはアイドルでいられるのだろうか。常に早苗は自問していた。答えは、出ない。
「ふぅー、さっぱりした」
「気持ち良いですぅー」
「ああ〜」
シャワールームから出ると脱衣所でのほほんと座っている雫と扇風機に向かって声をぶつけている裕子がいた。
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