過去ログ - 【安価とコンマ】行き当たりばったり幻想郷生活四日目
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名無しNIPPER
2017/04/04(火) 06:15:52.37 ID:k4D60RXh0
翌日、スオウはいつもと同様に、終業時間と同時に学校を出ると、妹の待つ病院に向かった。病床の妹を気づかいながら当たり障りのない世間話をしていると、不意に妹のアカネが泣きそうな表情を浮かべてスオウを見つめてきた。
「お兄ちゃん……わたし……いつまで生きられるの……?」
「ア、アカネ……」
突然のことに、一瞬言葉が詰まったスオウだったが、すぐに普段の表情を取り戻した。
「い、いきなり、な、な、なに言い出すんだよ! ちゃんと治療してもらっているんだから、こんな病気くらいすぐに治るさ!」
「お兄ちゃん、わたし、もう13歳なんだよ! 自分の体の状態ぐらい自分で分かるよ!」
「だから、何度も言ってるだろう! 確かに入院は延びているけど、先生たちがしっかりとみて――」
「そんなのウソでしょ! だって、ネットで調べれば、わたしの体の状態がどうなのかくらいは、いろいろ出ているんだからね!」
「…………」
「――それにお母さんもお父さんも仕事ばっかりで、お見舞いにも全然来てくれないし……。それって、わたしの治療費を稼ぐために、仕事が大変だってことでしょ?」
「…………」
妹の追及に言葉を返せないスオウだった。なぜなら妹が言っていることは、すべて当たっていたから 。
「――ねえ、お兄ちゃん。はっきりと教えてよ。わたしの病状、良くないってことなんでしょ?」
「――違う! アカネ、そんなことは絶対にない!」
「違わないでしょ! わたしは自分の体のことを知りたいだけなの! だって、このままじゃ……いつ死ぬかも……分からないまま……なんだから……」
「――アカネ。悪いけど、用事を思い出したから、おれはこれで帰るよ」
今の妹を説得できるだけの気力がスオウにはなかった。このまま精神が高ぶっている妹と話をしていたら、言ってはいけないことをつい言ってしまいそうで怖かったのだ。
スオウはまだ話したそうにしている妹の視線から逃げるようにして病室を出ていった。
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